夏といえばガラスの器が涼をよびます。
透明なものが当たり前ですが、不透明なものもまた趣があります。
★ガラスの種類と原料
◎ソーダ石灰ガラス(ソーダライムガラス)・・・主原料は、珪砂・炭酸ナトリウム・炭酸カルシウムで、普通の瓶や板ガラスはこの種類。
◎カリウム・ガラス(ボヘミヤン・クリスタルガラス)・・・主原料は珪砂・炭酸カリウム・石灰石で、ドイツのボヘミヤ地方に端を発した伝統あるガラス。
◎クリスタルガラス・・・主原料は珪砂・酸化鉛・炭酸カリウムで、ずっしりと重く光の屈折率が高いため、豪華なカット・ガラス向きの素材。
叩くと金属性の音が出るほど鉛の含有率が高いと考えてよい。
◎ホウ珪酸ガラス(硬質ガラス)・・・主原料は珪砂・ホウ砂・ソーダ灰で、理化学用・医療器具用、また耐熱容器などに使われることが多い。
◎結晶化ガラス(商品名・パイレックス)・・・主原料は珪砂・炭酸リチウム・酸化アルミニウムで、熔融・成形して徐冷した後、徐々に再加熱して、ガラ スを微細な結晶の集合体に変化させて作る。
膨張係数が小さく、耐熱衝撃性は普通のガラスの約10倍もあって、化学反応装置や食器などに使われています。
★ガラスの茶道具
切子の水指や菓子鉢は熱いものは入れませんから良いですが、茶碗はそういう訳にはいきません。
ガラスの茶碗で耐熱処理を施してあっても使っているうちに割れてしまったという話を聞いたことがあります。
それにガラスの茶碗では口触りがツルリとして個人的には好きになれません。
参照文献
シリーズ・グラフ文化史 「ガラスの博物誌」 朝日新聞社 刊
理化学事典 岩波書店