bQ5 炭について


茶道の炭には道具炭と枝炭があります。

原料
道具炭…くぬぎ
枝炭…つつじ・つばき・くぬぎ・こなら などの小枝


よい炭の条件とは
◎しまりがある たたくと金属音がして、握ってもくずれない炭
◎樹皮が密着している 握っても皮がはがれない炭
◎炭の切り口が菊の花のように割れていて、割れ目が細かく均一になっていること 窯の中でゆっくりと乾燥したもの
◎断面が真円に近いこと 、くぬぎの原木がまるいもの
◎樹皮が薄いこと ・ 皮が厚いと切りにくくなり、燃焼するときに跳ねやすくなる(爆跳現象)
◎適度にネラシがきいていること ネラシとは炭化の終わりに炭窯の温度を上げて、炭の中のガス分を抜き、同時に焼しめること
茶の湯炭にはほのかなガス分が残った炭が望ましい。(切りやすく火付きがよい)
ネラシをきかせすぎるとガス分は少なくなり、火持ちがよいが、火付きは悪くなる。 炭も硬くなり切りにくくなってしまう。

道具炭には昔から「池田炭」が有名です。
大阪府池田市東北方、能勢、妙見山麓一帯から生産されるくぬぎ黒炭。 吉川、止々呂実(とどろみ)、一庫(ひとくら)、国崎、黒川が主な産地。
これらの集落で製炭された炭は池田に集められ広く販売されたので「池田炭」と言われました。

枝炭 古くは山茶花(さざんか)の枝やつつじの根を原木としてこれを二段焼きして、急に灰に埋めて消し、表面を白くした状態で使ったという。
現在は炭にした後、胡粉や石灰を塗って白くしています。

炭の種類
◎黒炭…窯をふさいで消火する(窯内消火法) 例.道具炭
◎白炭…炭焼きの終わりに窯の口を開けて空気を入れ温度を上げてやる。 頃合いをみて炭を窯の外に引き出し湿った灰をかけて消火する(窯外消火法)
木炭表面には灰が付着するため、着火点が下がり火付きがよくなる。
この現象は灰の中のカリの一部が木炭表面に滲み込み、その触媒作用のため着火点が下がる。 炭の表面に灰が付くので炭は灰白色となる。
ここから白炭の名が生まれた。 例.備長炭              

参照文献

 「炭」   岸本定吉 著  創森社 刊


喫茶去」表紙に戻る