bR0 お香について
茶席に漂うお香の香りは気分を引き締めてくれます。
普段お稽古になにげなく使っているお香(特に練り香)ですが、以外にその成分は知られていないものでしょう。
◎ 炉の季節には練り香が使われます。
練り香の材料は十数種類の漢方薬(沈香・丁字・白檀・甘松・桂皮・零薐香・安息香など)です。
成分の配合により独特の香りを調合します。
1.乳鉢に漢方薬と固炭を入れ細かくすりつぶし、蜂蜜を混ぜながら乳棒でよく練る。
2.二〜三年寝かせて熟成させた練り香を適量加えたのち、蜂蜜や生酸を加えて液化するように作る。
3.乳棒でよくついて撹拌し暖めておいた蜂蜜を加え全体に固炭の黒い輝きが出るようにする。
4.板において均一に延ばす。
5.一粒の大きさに切り分ける。
6.手のひらで丸めて出来上がり。
◎ 風炉の季節に使う香木は白檀と沈香があります。
白 檀 (びゃくだん) 香木の一種。
ビャクダン科の常緑喬木。 東インド・マレー半島原産。
材は帯黄色で香気が強く、皮は香料に供し、材は器具製造用。
沈 香 (じんこう) 香木の一種。 沈水香木の略。
アジアの熱帯地方に産する沈香(ジンチョウゲ科の常緑喬木)から採
った天然香木。
古木を地中に埋めて腐食させ、樹脂の部分を用います
樹脂の部分が、黒色の艶のある優良品を伽羅(きゃら)といい、香木の代表である伽羅を沈香とも呼びます。
参照文献
「角川茶道大事典」 角川書店
「棗と香合」 別冊家庭画報 世界文化社