bS4 金銀粉末(蒔絵の粉)
◎材質による分類
銀粉 純銀を粉末状にしたもの。使用前・蒔いた後でも時間を経て黒変する。
燻銀粉 人工的に燻して黒変させた純銀粉。真っ黒。
金粉 純銀を粉末状にしたもの。 十八金よりは暗い黄味色の強い金色。
青金粉 金と銀の合金を粉末状にしたもの。 十八金の白味の強い黄色に近い金色。
白金粉 白金(プラチナ)を粉末状にしたもので、いつまでも変化しない銀色を保つことができる。
錫粉 銀粉の代用として作られた。成分にもよるが、薬品に腐食されやすい。
四部一粉 錫粉に微細な炭粉を混合したもの。繕いには使用しない。
砲金粉 青銅の一種。銅・錫・亜鉛の合金粉末。繕いには使用しない。
赤銅粉 赤銅を粉末状にしたもの。変色も起こし、安定も悪い。
真鍮粉 黄銅(銅に亜鉛を加えた合金)の粉末。変色しやすく、安定も悪い。
鉛粉 変色し、腐蝕され易い。重く、柔らかく、安定性に欠ける。
アルミ粉 変色しない銀粉の代用品として用いられる事が多い。
◎製造法・形状による分類
泥粉 銀泥・金泥と呼ばれる。銀箔・金箔を微細な粉末状にしたもの。
絵画用に古くから用いられている銀・金はこの粉である。
鑢粉 地金を鑢でおろしたままの粉。
平安時代の蒔絵はこの鑢粉を使っている。
平目粉 鑢粉を細かい鑢目のある盤と鑢目のある金鎚の間で摩擦しながら微細にして、特殊な技法で平らに薄く延ばして、大小数種にふるい分けたもの。
梨地粉 平目粉を更に薄く延ばして細かくした粉。蒔絵の梨地に用いられる粉。
丸粉 平目粉・梨地粉を更に鑢目盤上に置き、鑢目金槌で軽く摩擦し、叩きながら丸味を付けたもの。
半丸粉 丸粉のように摩擦して、丸味をわずかに付けたもの。
平粉 細かな粉を更に微細にしたもので、平蒔絵に用いる。
参照文献
「金繕い工房」 原一菜 著 里文出版
《原色茶道大辞典》 淡交社
《茶道具の基礎知識》 光村推古書院