bT5 赤膚焼について
赤 膚 焼
奈良市五条町で焼かれる陶器。
開窯時期は不詳だが、大和郡山藩主柳沢尭山が一八〇〇年頃、陶工治兵衛に「赤ハタ」
印を下賜して以来本格化する。
幕末に名工奥田木白(一八〇〇〜七一)がでて数々の写し物の茶陶を焼いて名を高めた。遠州七窯の一つといわれる。現在も五条山の中窯・東窯をはじめ大和郡山市・西ノ京に操業が続く。
遠州七窯: 志戸呂 膳々 上野 高取 朝日 赤膚 古曽部(伊賀とする説あり)
「やきもの事典」平凡社刊より
◎赤膚焼の特色
乳白色、ワラ灰釉といった釉と土に含まれる鉄分との混じり合い。
窯の中の酸化・還元焔による窯変にあります。
◎現在の赤膚焼
奈良市では赤膚町に二軒・中町に二軒・大和郡山市に二軒、合計六軒が活動している。
職人数 ろくろ台数 窯 炉 製 品 釉 住所
古瀬尭三 一五人 一五台 登り窯三 茶華道具 萩・土灰 赤膚町
鉄釉など
大塩正人 六人 七台 登り窯 茶華道具 萩・鉄 赤膚町
灯油一・電気三台 銅釉など
大塩昭山 六人 八台 登り窯 茶華道具・雑器 萩 中町
灯油一・電気三台 天目・石灰釉
大塩玉泉 五人 五台 電気炉一 茶華道具・雑器 萩・天目 中町
ガス炉一 銅釉など
尾西楽斎 五人 七台 登り窯 茶道具 萩 大和郡山 灯油二・電気三台 伊羅保・石灰釉
小川二楽 二台 登り窯 茶華道具・雑器 萩 大和郡山 電気炉二台 伊羅保・石灰釉