57  朝鮮唐津 ロハク水指

 朝鮮唐津水指  銘「廬瀑」 (ろばく)  

       藤ノ川内窯   十七世紀初    藤田美術館 
       高さ 一七.一  口径 一〇.一  底径 九.四 (センチ)

唐津焼で白濁の藁灰釉と黒飴釉をかけ分けたものを朝鮮唐津といいます。
あたかも種壷のような壷形の水指で、やや厚手に作られています。
現物は本などで見るよりもかなり小さめでしょう。
叩き作りですから底は板起しで、下に黒飴釉をかけ、口から肩にかけて白濁色の藁灰釉を厚くかけていますが、白釉の一か所がなだれて滝の風情があるところから「廬瀑」と名付けられました。

唐の李白の詩
   「日照香炉生紫烟 遥看瀑布挂長川 飛流直下三千尺 疑是銀河落九天」
   からの命名。



※ 種壷 農民が種の保存に用いたといわれる、高さ二十センチ内外の口の広い壷。 
      備前焼など多く見られ茶湯の水指に転用されている。