福井県情報公開条例(以下の条文は福井県情報公開条例の解釈運用基準にリンクしています。)
福井県情報公開条例を公布する。
平成12年3月21日
福井県知事 栗田幸雄
福井県条例第四号
改正 平成13年3月21日福井県条例第11号 (赤字が改正部分です。)
福井県情報公開条例
福井県公文書公開条例(昭和61年福井県条例第2号)の全部を改正する。
前文 第1章 総則(第1条−第4条)
第2章 公文書の公開(第5条−第17条)
第3章 不服申立て等(第18条−第30条)
第4章 補則(第31条−第40条)
附則
地方自治の本旨に基づいた県政を推進するためには、県が、県政を負託している県民に対して、その諸活動の状況を説明する責務を全うすることが必要であり、このことは、同時に、県民の「知る権利」の実現に寄与することでもある。 情報公開制度は、県がこのような「説明責務」を全うするための重要な制度であり、地方分権が進展し、今後ますます地方自治体と住民の自立と自己責任が求められていく中で、県民の理解と信頼を基本とする、公正で透明性の高い県政を実現する上においても、不可欠のものである。
このような考え方に立って、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条
この条例は、公文書の公開を請求する権利の内容を明らかにするととも
に、公文書の公開の手続その他必要な事項を定めることにより、県民の県政参
加の一層の推進および県政の公正な運営の確保を図り、もって地方自治の本旨
に基づいた県政の推進に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「実施機関」とは、知事、議会、教育委員会、選挙管理委員
会、人事委員会、監査委員、公安委員会、地方労働委員会、収容委員会、海区漁業調整委員
会、内水面漁場管理委員会、公営企業管理者および警察本部長をいう。
2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、または
取得した文書、図画および電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知
覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下
同じ。)であって、当該実施機関が管理しているものをいう。ただし、次に掲
げるものを除く。
一 官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数のものに販売する
ことを目的として発行されるもの
二 県立図書舘その他の県の機関において、歴史的もしくは文化的な資料また
は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの
(実施機関の責務)
第3条
実施機関は、この条例に基づく公文書の公開を請求する権利がじゅうぶ
ん保障されるように、この条例を解釈し、および運用しなければならない。こ
の場合において、実施機関は、個人に関する情報がみだりに公にされることの
ないように、最大限の配慮をしなければならない。
(利用者の責務)
第4条
この条例の定めるところにより公文書の公開を請求しようとするものは、
この条例の目的にのっとり、適正な請求をするように努めるとともに、請求
に係る公文書を公開されたときは、これによって得た情報を適正に使用しなけ
ればならない。
第2章 公文書の公開
(公文書の公開を請求できるもの)
第5条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、公文書の公
開を請求することができる。
(公文書の公開の請求方法)
第6条
前条の規定による公開の請求(以下「公開請求」という。)は、実施機
関に対して、次に掲げる事項を記載した書面(以下「公開請求書」という。)
を提出してしなければならない。
一 公開請求をする者の氏名および住所または居所(法人その他の団体にあっ
ては、名称および代表者の氏名ならびに主たる事務所の所在地)
二 公文書の名称その他の公開請求に係る公文書を特定するために必要な
事項
三 前二号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項
2 実施機関は、公開請求書に形式上の不備があると認めるときは、公開請求
をしたもの(以下「公開請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、
その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、公開請求
者に対し、補正の参考となる情報を提供するように努めなければならない。
(公文書の公開義務)
第7条
実施機関は、公開請求があったときは、公開請求に係る公文書に次の
各号に掲げる情報(以下「非公開情報」という。)のいずれかが記録されて
いる場合を除き、公開請求者に対し、当該公文書を公開しなければならない。
一 個人に関する情報事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)で
あって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合するこ
とにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
または特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、な
お個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を
除く。
イ 法令もしくは他の条例の規定によりまたは慣行として公にされ、また
は公にすることが予定されている情報
ロ 人の生命、健康、生活または財産を保護するため、公にすることが必
要であると認められる情報
ハ 当該個人が公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2
条第1項に規定する国家公務員および地方公務員法(昭和25年法律第
261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)である場合において、
当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、
当該公務員の職および氏名ならびに当該職務遂行の内容に係る部分
(当該公務員の職および氏名に係る情報にあっては、公安委員会規則で
定めのある警察職員の氏名に係わるものその他の公にすることにより当
該公務員の権利利益を不当に害するおそれがあるものを除く。)
二 法人その他の団体(県、国および他の地方公共団体を除く。以下「法人
等」という。)に関する情報または事業を営む個人の当該事業に関する情
報であって、公にすることにより、当該法人等または当該個人の権利、競
争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし、人の生
命、健康、生活または財産を保護するため、公にすることが必要であると
認められる情報を除く。
三 公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧または捜査、公訴の維持、刑の
執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施
機関が認めることにつき相当の理由がある情報
四 県、国または他の地方公共団体が行う防災、衛生、営業、交通等に係る
規制に関する情報であって、公にすることにより、人の生命、健康、生活
または財産の保護に支障を及ぼすおそれがあるもの
五 個人または法人等が、実施機関の要請を受けて、公にしないことを条件
として任意に提供した情報であって、個人または法人等における通例とし
て公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当
該情報の性質・当時の状況等に照らして合理的であると認められる情報。
ただし、人の生命、健康、生活または財産を保護するため、公にすること
が必要であると認められる情報を除く。
六 県、国および他の地方公共団体の内部または相互間における審義、検討
または協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交
換もしくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に県民の間
に混乱を生じさせるおそれまたは特定のものに不当に利益を与えもしく
は不利益を及ぼすおそれがあるもの
七 県、国または他の地方公共団体が行う事務または事業に関する情報であ
って、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務または事業
の性質上、当該事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある
もの
イ 監査、検査、取締りまたは試験に係る事務に関し、正確な事実の把握
を困難にするおそれまたは違法もしくは不当な行為を容易にし、もしく
はその発見を困難にするおそれ
ロ 契約、交渉または争訟に係る事務に関し、県、国または他の地方公共
団体の財産上の利益または当事者としての地位を不当に害するおそれ
ハ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害
するおそれ
ニ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼ
すおそれ
ホ 県、国または他の地方公共団体が経営する企業に係る事務に関し、そ
の企業経営上の正当な利益を害するおそれ
八 法令もしくは他の条例の定めるところによりまたは実施機関が法律上
従う義務を有する国の機関の指示により、公にすることができないと認め
られる情報
(公文書の一部公開)
第8条
実施機関は、公開請求に係る公文書の一部に非公開情報が記録されて
いる場合において、非公開情報が記録されている部分を容易に区分して除く
ことができるときは、公開請求者に対し、当該部分を除いた部分につき公開
しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録さ
れていないと認められるときは、この限りでない。
2 公開請求に係る公文書に前条第1号に掲げる情報(特定の個人を識別する
ことができるものに限る。)が記録されている場合において、当該情報のう
ち、特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くこと
により、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められる
ときは、当該部分を除いた部分は、同号に掲げる情報に含まれないものとみ
なして、前項の規定を適用する。
(公益上の理由による裁量的公開)
第9条
実施機関は、公開請求に係る公文書に非公開情報(第7条第8号に該
当するものを除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要が
あると認めるときは、公開請求者に対し、当該公文書を公開することができる。
(公文書の存否に関する情報)
第10条
公開請求に対し、当該公開請求に係る公文書が存在しているか否か
を答えるだけで、非公開情報を公開することとなるときは、実施機関は、当
該公文書の存否を明らかにしないで、当該公開請求を拒否することができる。
(公開請求に対する決定等)
第11条 実施機関は、公開請求に係る公文書の全部または一部を公開すると
きは、その旨の決定をし、公開請求者に対し、その旨および公開の実施に関
し必要な事項を書面により通知しなければならない。ただし、公開請求に係
る公文書の全部を公開する旨の決定をし、かつ、公開請求があった日に当該
公文書の公開を実施するときは、口頭により通知することができる。
2 実施機関は、公開請求に係る公文書の全部を公開しないとき(前条の規定
により公開請求を拒否するときおよび公開請求に係る公文書を管理してい
ないときを含む。以下同じ。)は、公開しない旨の決定をし、公開請求者に
対し、その旨を書面により通知しなければならない。
3 実施機関は、第1項の規定による公文書の一部を公開する旨の決定または
前項の決定をした場合において、当該公文書の一部または全部を公開するこ
とができる期日があらかじめ明らかであるときは、当該期日および公開する
ことができる範囲を前二項の規定による通知に付記しなければならない。
(公開決定等の期限)
第12条 前条第1項または第2項の決定(以下「公開決定等」という。)は、
公開請求があった日から起算して15日以内にしなければならない。ただし、
第6条第2項の規定により公開請求書の補正を求めた場合にあっては、当該
補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理
由があるときは、同項に規定する期間を30日以内に限り延長することがで
きる。この場合において、実施機関は、公開請求者に対し、速やかに、延長
後の期間および延長の理由を書面により通知しなければならない。
3 公開請求に係る公文書が著しく大量であるため、公開請求があった日から
起算して45日以内にそのすべてについて公開決定等をすることにより事
務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前二項の規定にかか
わらず、実施機関は、公開請求に係る公文書のうちの相当の部分につき当該
期間内に公開決定等をし、残りの公文書については相当の期間内に公開決定
等をすれば足りる。この場合において、実施機関は、第1項に規定する期間
内に、公開請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければなら
ない。
一 この項を適用する旨およびその理由
二 残りの公文書について公開決定等をする期限
4 実施機関は、前項の規定による通知をした場合において、同項第2号の期
限を公開請求があった日から起算して3月を経過した後としたときは、遅滞
なく、第21条第1項の福井県公文書公開審査会に対し、その旨を報告しな
ければならない。
(事案の移送)
第13条
実施機関は、公開請求に係る公文書が他の実施機関により作成され
たものであるときその他他の実施機関において公開決定等をすることにつ
き正当な理由があるときは、当該他の実施機関と協議の上、当該他の実施機
関に対し、事実を移送することができる。この場合においては、移送をした
実施機関は、公開請求者に対し、事実を移送した旨を書面により通知しなけ
ればならない。
2 前項の規定により事実が移送されたときは、移送をされた実施機関におい
て、当該公開請求について公開決定等をしなければならない。この場合にお
いて、移送をした実施機関が移送前にした行為は、移送をされた実施機関が
したものとみなす。
3 前項の場合において、移送をされた実施機関が第11条第1項の決定(以
下「公開決定」という。)をしたときは、当該実施機関は、公開を実施しな
ければならない。この場合において、移送をした実施機関は、当該公開の実
施に必要な協力をしなければならない。
(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)
第14条
公開請求に係る公文書に個人および法人等のうち公開請求者以外の
もの(以下この条、第19条および第20条において「第三者」という。)
に関する情報が記録されているときは、実施機関は、公開決定等をするに当
たって、当該情報に係る第三者に対し、公開請求に係る公文書の表示その他
実施機関が定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることがで
きる。
2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、公開決定に先立ち、
当該第三者に対し、公開請求に係る公文書の表示その他実施機関が定める事
項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
一 第三者に関する情報が記録されている公文書を公開しようとする場合
であって、当該情報が第7条第1号ロまたは同条第2号ただし書に規定す
る情報に該当すると認められるとき。
二 第三者に関する情報が記録されている公文書を第9条の規定により公
開しようとするとき。
3 実施機関は、前二項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者
が当該公文書の公開に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、
公開決定をするときは、公開決定の日と公開を実施する日との間に少なくと
も2週間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、公開決
定後直ちに、当該意見書(第18条および第19条において「反対意見書」
という。)を提出した第三者に対し、公開決定をした旨およびその理由なら
びに公開を実施する日を書面により通知しなければならない。
(公文書の公開の実施)
第15条 公文書の公開は、第11条第1項の規定による通知により実施機関
が指定する日時および場所において行うものとする。
2 実施機関は、公開請求者の利便を考慮して前項の日時を指定しなければな
らない。
3 公文書の公開は、文書または図画については閲覧または写しの交付により、
電磁的記録については実施機関が別に定める方法により行うものとする。
4 前項の規定にかかわらず、実施機関は、公文書を公開することにより当該
公文書が汚損され、または破損されるおそれがあるとき、第8条第1項の規
定により公文書の一部を公開するときその他正当な理由があるときは、当該
公文書を複写した物を閲覧させ、またはその写しを交付する方法により公文
書の公開を行うことができる。
(他の制度等との調整)
第16条
実施機関は、法令または他の条例の規定により、公開請求に係る公
文書が、何人にも前条第3項に規定する方法と同一の方法により公開するこ
ととされている場合(公開の期間が定められている場合にあっては、当該期
間内に限る。)には、同項の規定にかかわらず、当該公文書については、当
該同一の方法による公開を行わないものとする。ただし、当該法令または他
の条例の規定に一定の場合には公開しない旨の定めがあるときは、この限り
でない。
2 法令または他の条例の規定に定める公開の方法が縦覧であるときは、当該
縦覧を前条第3項の閲覧とみなして、前項の規定を適用する。
(手数料)
第17条 公開請求に係る公文書を公開されるものは、別表の上欄に掲げる公
文書の種別ごとに、同表の中欄に掲げる公開の実施の方法に応じ、それぞれ
同表の下棚に定める頻の手数料を納付しなければならない。
第3章 不服申立て等
(不服申立てがあった場合の審査会への諮問)
第18条 公開決定等について行政不服審査法(昭和37年法律第160号)
による不服申立てがあったときは、当該不服申立てについて裁決または決定
をすべき行政庁(以下「行政庁」という。)は、次の各号のいずれかに該当
する場合を除き、速やかに、第21条第1項の福井県公文書公開審査会に諮
問しなければならない。
一 不服申立てが不適法であり、却下するとき。
二 裁決または決定により、不服申立てに係る公開決定等(公開請求に係る
公文書の全部を公開する旨の決定を除く。以下この号および第20条にお
いて同じ。)を取り消し、または変更し、当該不服申立てに係る公文書の
全部を公開するとき(当該公開決定等について反対意見書が堤出されてい
るときを除く。)。
2 前項の規定による諮問をした行政庁(以下「諮問庁」という。)は、当該
諮問について答申を受けたときは、速やかに、当該諮問に係る不服申立てに
ついて裁決または決定をしなければならない。
(諮問をした旨の通知)
第19条 諮問庁は、次に掲げるものに対し、諮問をした旨を通知しなければ
ならない。
一 不服申立人および参加人
二 公開請求者(公開請求者が不服申立人または参加人である場合を除く。)
三 当該不服申立てに係る公開決定等について反対意見書を提出した第三者
(当該第三者が不服申立人または参加人である場合を除く。)
(第三者からの不服申立てを棄却する場合等における手続)
第20条 第14条第3項の規定は、行政庁が次の各号のいずれかに該当する
裁決または決定をする場合について準用する。
一 公開決定に対する第三者からの不服申立てを却下し、または棄却する裁
決または決定
二 不服申立てに係る公開決定等を変更し、当該公開決定等に係る公文書を
公開する旨の裁決または決定(第三者である参加人が当該公文書の公開に
反対の意思を表示している場合に限る。)
(福井県公文書公開審査会の設定)
第21条 第18条第1項の規定による諮問に応じ、不服申立てについて調
査審議するため、福井県公文書公開審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、前項の規定による調査審議を行うほか、第12条第4項の規定
による報告に対する意見その他公文書の公開に関する事項についての意見
を実施機関に述べることができる。
3 審査会は、委員5人以内をもって組織する。
4 委員は、学識経験を有する者のうちから、知事が委嘱する。
5 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委
員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、再任されることができる。
7 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、
同様とする。
(会長)
第22条 審査会に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、審査会を代表する。
3 会長に事故があるとき、または会長が欠けたときは、会長があらかじめ指
名する委員が、その職務を代理する。
(会議)
第23条 審査会の会議は、会長が招集する。
2 審査会の会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。
3 審査会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長
の決するところによる。
(審査会の調査審議)
第24条 審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に付し、公開決定等
に係る公文書の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、
審査会に付し、その提示された公文書の公開を求めることができない。
2 諮問庁は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒ん
ではならない。
3 審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、公開決定等に係る
公文書に記録されている情報の内容を審査会の指定する方法により分類し、
または整理した資料を作成し、審査会に提出するよう求めることができる。
4 第1項および前項に定めるもののほか、審査会は、不服申立てに係る事件
に関し、不服申立人、参加人または諮問庁(以下「不服申立人等」という。)
に意見書または資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている
事実を陳述させまたは鑑定を求めることその他必要な調査をすることがで
きる。
(意見の陳述等)
第25条 審査会は、不服申立人等から申立てがあったときは、当該不服申立
人等に対し、口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、審
査会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
2 前項本文の場合においては、不服申立人または参加人は、審査会の許可を
得て、補佐人とともに出頭することができる。
(意見書等の提出等)
第26条 不服申立人等は、審査会に対し、意見書または資料を提出すること
ができる。ただし、審査会が意見書または資料を提出すべき相当の期間を定
めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
(提出資料の閲覧等)
第27条 不服申立人等は、審査会に対し、審査会に提出された意見書または
資料の閲覧または複写を求めることができる。この場合において、審査会は、
第三者の利益を害するおそれがあると認めるときその他正当な理由がある
ときでなければ、その閲覧または複写を拒むことができない。
2 審査会は、前項の規定による閲覧または複写について、日時および場所を
指定することができる。
(調査審議手続の非公開)
第28条 審査会の行う調査審議の手続は、公開しない。
(答申書の送付等)
第29条 審査会は、諮問について答申をしたときは、答申書の写しを不服申
立人および参加人に送付するとともに、答申の内容を公表するものとする。
(会長への委任)
第30条 この条例に定めるもののほか、審査会の運営に関し必要な事項は、
会長が審査会に諮って定める。
第4章 補則
(公文書の管理)
第31条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書
を適正に管理するものとする。
2 実施機関は、公文書の分類、作成、保有および廃棄に関する基準その他の
公文書の管理に関する必要な事項についての定めを設けるとともに、これを
閲覧に供しなければならない。
(公開請求に関する相談、公開請求書受領等の場所)
第32条 知事は、県民の利便を考慮して、公開請求に関する相談、公開請求
書の受領等を行うための場所を設けなければならない。
2 公安委員会または警察本部長に対する公開請求に関する相談、公開請求書
の受領等を行うための場所については、前項の規定にかかわらず、公安委員
会または警察本部長が設けるものとする。
(公文書検索目録の作成等)
第33条 実施機関は、公文書の検索に必要な目録を作成し、閲覧に供するも
のとする。
(実施状況の公表)
第34条 知事は、毎年度この条例による公文書の公開の実施状況を公表しな
ければならない。
(実施機関相互の間の調整)
第35条 知事は、公文書の公開に関する制度が適正かつ円滑に運営されるよ
う実施機関相互の間の調整を行うものとする。
(制度の充実および改善)
第36条 実施機関は、公文書の公開の実施状況等を踏まえ、公文書の公開に
関する制度の一層の充実および改善に努めるものとする。
(情報提供の推進)
第37条 県は、県民の県政への参加を推進するとともに県政の公正な運営を
確保するため、広報活動の充実等県民への迅速かつ的確な情報の提供の推進
に努めるものとする。
(出資法人の情報公開)
第38条 県が資本金、基本金その他これらに準ずるものを出資している法人
であって実施機関が定めるもの(以下「出資法人」という。)は、この条例
の趣旨にのっとり、その保有する情報の公開を行うために必要な措置を講ず
るように努めるものとする。
2 実施機関は、出資法人に対し、前項に規定する必要な措置を講ずるよう指
導に努めるものとする。
第38条の2 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第53条の2の訴訟
に関する書類および押収物については、この条例の規定は適用しない。
(委任)
第39条 この条例に定めるもののほか、この条例の実施に関し必要な事項は、
実施機関が定める。
(罰則)
第40条 第21条第7項の規定に違反して秘密を漏らした者は、1年以下の懲
役または30万円以下の罰金に処する。
(施行期日)
1 この条例は、平成12年7月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例による改正後の福井県情報公開条例(以下「新条例」という。)
第2条第2項の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以
後に実施機関の職員が職務上作成し、または取得した文書、図画および電磁
的記録について適用し、施行日前に実施機関の職員が職務上作成し、または
取得した文書、図画および電磁的記録に係る公文書の定義については、なお
従前の例による。
3 この条例による改正前の福井県公文書公開条例(以下「旧条例」という。)
第2条第1項に規定する公文書で、施行日前に実施機関の職員が作成し、ま
たは取得したものについては、新条例第7条および第9条の規定にかかわら
ず、なお従前の例による。
4 この条例の施行前に旧条例の規定によりされた処分、手続その他の行為は、
新条例中にこれに相当する規定がある場合には、新条例の相当規定によりさ
れた処分、手続その他の行為とみなす。
5 旧条例第14条第1項の規定により設置された福井県公文書公開審査会
は、新条例第21条第2項の規定により置く福井県公文書公開審査会となり、
同一性をもって存続するものとする。
6 この条例の施行の際現に旧条例第14条第3項の規定により委員に任命
されている者は、新条例第21条第4項の規定により委員に委嘱されたもの
とみなし、その任期は、同条第五項の規定にかかわらず、平成12年9月
30日までとする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日
から施行する。
一 目次の改正規定,第2条第1項の改正規定(「知事」の下に「、議会」
を加える部分に限る。)および本則に一条を加える改正規定 平成13年
7月1日
二 第2条第1項の改正規定(「知事」の下に「、議会」を加える部分を除
く。)、第7条第1号および第3号の改正規定、同条中第7号を第8号と
し、第4号から第6号までを1号ずつ繰り下げ、第3号の次に一号を加え
る改正規定、第9条の改正規定、第32条に一項を加える改正規定ならび
第38条の次に一条を加える改正規定 平成14年4月1日
三 前二号に掲げる規定以外の規定 平成13年4月1日
2 この条例による改正後の福井県情報公開条例の規定は、議会が管理してい
る公文書(同条例第2条第2項に規定する公文書をいう。以下同じ。)にあ
っては平成13年7月1日以後に議会の職員が作成し、または取得したもの
について、公安委員会または警察本部長が管理している公文書にあっては平
成14年4月1日以後に公安委員会または警察本部長の職員が作成し、また
は取得したものについて適用する。
別表(第17条関係)
公文書の種別 |
公開の実施の方法 |
手数料の額 |
|||
文書または図画 |
複写機により作成した写しの交付(単色刷り) |
1枚につき10円 |
|||
その他の方法による写しの交付 |
写しの作成に要する実費 |
||||
電磁的記録 |
実施機関が別に定める方法 |
公開の実施に要する実費 |
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備考 複写機により作成した文書または図画の写しの枚数は、用紙の両面に複
写したときは片面を1枚として、A三判を超える規格の用紙を用いた
ときはA三判の規格の用紙を用いた場合の枚数に換算して算定する。