24条〜第29条(審査会の調査審議等)関係

 

(審査会の調査審議)

第24条 審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に付し、公開決定等

 に係る公文書の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、

 審査会に付し、その提示された公文書の公開を求めることができない。

2 諮問庁は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒ん

 ではならない。

3 審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、公開決定等に係る

 公文書に記録されている情報の内容を審査会の指定する方法により分類し、

 または整理した資料を作成し、審査会に提出するよう求めることができる。

4 第1項および前項に定めるもののほか、審査会は、不服申立てに係る事件

 に関し、不服申立人、参加人または諮問庁(以下「不服申立人等」という。)

 に意見書または資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている

 事実を陳述させまたは鑑定を求めることその他必要な調査をすることがで

 きる。

 (意見の陳述等)

第25条 審査会は、不服申立人等から申立てがあったときは、当該不服申立

 人等に対し、口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、審

 査会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

2 前項本文の場合においては、不服申立人または参加人は、審査会の許可を

 得て、補佐人とともに出頭することができる。

 (意見書等の提出等)

第26条 不服申立人等は、審査会に対し、意見書または資料を提出すること

 ができる。ただし、審査会が意見書または資料を提出すべき相当の期間を定

 めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

 (提出資料の閲覧等)

第27条 不服申立人等は、審査会に対し、審査会に提出された意見書または

 資料の閲覧または複写を求めることができる。この場合において、審査会は、

 第三者の利益を害するおそれがあると認めるときその他正当な理由がある

 ときでなければ、その閲覧または複写を拒むことができない。

2 審査会は、前項の規定による閲覧または複写について、日時および場所を

 指定することができる。

 (調査審議手続の非公開)

第28条 審査会の行う調査審議の手続は、公開しない

(答申書の送付等)

第29条 審査会は、諮問について答申をしたときは、答申書の写しを不服申

 立人および参加人に送付するとともに、答申の内容を公表するものとする。

 

 

【趣旨】

 これらの条は、審査会の行う調査審議の手続等について定めたものである。

 

 

【解説】

24条関係

1 第1項は、審査会が的確な判断を行うため、公開決定等に係る公文書を諮問庁に提出

 させ、実際に見分して審議する、いわゆるインカメラ審査の権限を規定している。イン

 カメラ審査は必ず行わなければならないものではないが、審査会がインカメラ審査の必

 要を認めて公文書の提示を求めたときは、諮問庁は、これを拒むことはできない(第2

 項)。

2 第3項は、不服申立てのあった公開決定等に係る公文書の量が多く、複数の非公開情

 報が複雑に関係する事項などでは、争点を明確にし、調査審議を促進するために、事業

 に応じて、公文書に記録されている情報の内容を分類し、または整理した資料(ヴォー

 ン・インデックス)を作成し、審査会に提出するよう求めることができることを定めた

 ものである。

 

 

25条関係

1 審査会の行う調査審議の手続は、行政不服審査法の定める手続に代替するものではな

 く、それに付加されるものであることから、不服申立人または参加人は、本条に基づい

 た口頭意見陳述と、行政不服審査法第25条第1項ただし書(同法第48条において準

 用する場合を含む。)に基づく口頭意見陳述のいずれか一方または双方を選択することが

 できるものである。

2 「補佐人」とは、行政不服審査法第25条第2項に規定されている補佐人と同じ趣旨

 であり、専門的知識をもって不服申立人または参加人を援助できる第三者をいい、不服

 申立人または参加人の発言機関としての立場から事実上または法律上の陳述をする者で

 ある。具体的には、不服申立人または参加人が言語に障害を有する者や外国人である場

 合にその者の陳述を補佐する者等が該当する。

 

 

27条関係

 「第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき」とは、第三者のプライバシーを侵

害したり、企業秘密を露顕させたりするものであり、「その他正当な理由があるとき」とは、

行政運営上支障が生じる場合等をいう。

 

 

28条関係

 本条は、審査会の調査審議手続は非公開情報が記録された公文書を実際に見分して行わ

れることなどがら公開になじまないものであるため、非公開で行うことを明確にしたもの

である。

 

29条関係

 公表するものを「答申の内容」としたのは、答申書には、不服申立人等の氏名等、一般

に公表することが適当でない部分が含まれることがあり得ることを考慮したものである。