第8条(公文書の一部公開)関係
(
公文書の一部公開)第8条
実施機関は、公開請求に係る公文書の一部に非公開情報が記録されている場合において、非公開情報が記録されている部分を容易に区分して除く
ことができるときは、公開請求者に対し、当該部分を除いた部分につき公開
しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録さ
れていないと認められるときは、この限りでない。
2 公開請求に係る公文書に前条第1号に掲げる情報(特定の個人を識別する
ことができるものに限る。)が記録されている場合において、当該情報のう
ち、特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くこと
により、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められる
ときは、当該部分を除いた部分は、同号に掲げる情報に含まれないものとみ
なして、前項の規定を適用する。
【趣旨】
1 本条第1項は、公開請求に係る公文書の一部に非公開情報が記録されている場合であ
っても、当該公文書の全体について非公開とするのではなく、原則として、非公開情報
が記録された部分を除いて一部公開しなければならない旨を定めたものである。
2 第2項は、個人に関する情報が記録された公文書の一部公開について定めたものであ
る。
【解説】
1 「非公開情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるとき」とは、
非公開情報が記録された部分とそれ以外の部分とを区分することが容易で、しかも、非
公開情報が記録された部分を物理的に除くことが技術的にも容易な場合をいう。
2 「有意の情報が記録されていないと認められるとき」とは、非公開情報が記録されて
いる部分を除いた部分が、それ自体としては無意味な文字や数字のみとなる場合等をい
う。
3 「特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除<ことにより、公
にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるとき」とは、氏名、住
所等の記載を削除して特定の個人が識別されないようにすることにより、公にしても個
人の権利利益が害されるおそれがないと認められる場合をいう。
なお、末公表の著作物やカルテなどの個人識別性のある部分を除いても、公にするこ
とにより、なお個人の権利利益を害するおそれのある情報には、第2項の適用はない。
4 「同号に掲げる情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する」とは、本
来、個人に関する情報は、個人識別性のない部分も含めて全体として第7条第1号の非
公開情報に該当するものであるが、個人識別性のない部分については、非公開情報とは
取り扱わないということである。
【運用】
1 「有意の情報」がどうかについては、実施機関の見解と公開請求者の見解が異なる場
合もあることから、「有意の情報」ではないと明確に判断できる場合以外は、一部公開を
行うが、必要に応じて請求の趣旨を公開請求者に確認することが望ましい。
2 一部公開の方法
(1)文書または図画(次の(2)に掲げるものを除く。)
ア 公開しない部分がページ単位となっている場合
(ア)ページ単位でとりはずしが容易なものについては、公開しない部分をとりはず
して、公開する部分のみを公開する。
(イ)袋とじを行ったもの、割印が押印されているもの、用紙の表裏に記載されてい
るものなど、とりはずしが困難なものについては、公開する部分のみを複写機で
複写する、公開しない部分に袋をかけて遮へいするなどの方法により、公開する
部分のみを公開する。
イ 公開する部分と公開しない部分とが同一のページに存在している場合
(ア)公文書を複写機で複写し、公開しない部分を黒マジック等で塗りつぶし、それ
を再度複写機で複写したものを公開する。
(イ)公開しない部分を遮へい物で覆って複写機で複写したものを公開する。
(2)マイクロフィルム、写真フィルムおよびスライド
ア 用紙等に印刷・印画したものを閲覧に供し、または交付する場合
(1)に準じて行う。
イ 公開しない部分が存在する場合は、原則として、映写の方法による閲覧は行わな
い。
(3)電磁的記録
ア 用紙に出力した物またはそれを複写した物を閲覧に供し、または交付する場合
(1)に準じて行う.
イ 公開しない部分が存在する場合は、原則として、再生したものの閲覧等による公
開または電磁的記録媒体に複写した物の交付による公開は行わない。