第9条(公益上の理由による裁量的公開)関係
(公益上の理由による裁量的公開)
第9条
実施機関は、公開請求に係る公文書に非公開情報(第7条第7号に該当するものを除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要が
あると認めるときは、公開請求者に対し、当該公文書を公開することができる
【趣旨】
本条は、非公開情報が記録されている公文書であっても、実施機関の高度な行政的判断
により裁量的公開を行うことができることを定めたものである。
【解説】
1 第7条各号に定める非公開情報は、非公開により保護される利益と公開により保護さ
れる利益を比較衡量した上でなお非公開とする必要性が認められるものであるので、こ
れらが記録されている公文書を公開することはできない。しかし、このような非公開情
報であっても、個々の事例における特殊な事情によっては公開することに優越的な公益
があると認められる場合があり、本条は、実施機関の高度な行政的判断により非公開情
報を裁量的に公開することを可能とするものである。
2 第7条第7号に該当する情報(法令秘情報)は、法令等により公開が禁止されている
情報であり、裁量的公開を行う余地がないことがら、本条の対象から除かれているもの
である。
3 「公益上特に必要があると認めるとき」とは、第7条第1号(個人情報)のただし書
口などに規定されている人の生命、健康等の個人的な法益保護のため必要な場合の公開
義務に比べ、より広い社会的、公共的な利益を保護する特別の必要性のある場合をいう。