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林黛玉(りんたいぎょく)
この小説のヒロイン。実は絳珠草の化身。進士出身の官僚である林如海の愛娘で年は賈宝玉の一歳年下、父方の従妹に当たります。多愁多病で神経質ながら才貌共にすぐれた少女。母の死を機にその実家の賈家栄国邸に引き取られます。
大観園では瀟湘館(しょうしょうかん)に住んで「瀟湘妃子」(しょうしょうひし)と号します。
鋭い感性の持ち主でそのため必要以上に些細なことにも気をもんで、内向的性格のために却って人から狭量だと誤解されたりします。愛している宝玉にまで心と裏腹な突き放した態度をとったりもして、その後結局後悔してまた嘆くことになります。
後見の無い我が身を嘆き、宝玉を慕いながらも、宝玉と宝釵の持つ護身符の「金玉縁」を前世からの定めと諦めて、身を引こうとします。
しかしそんな黛玉を宝玉は愛し続けます。二人の定めは「木石縁」で、この世では決して成就しない恋だったのです。
命と引き替えにするかのように黛玉は多くの歌を詠みます。「葬花歌」「海棠歌」「桃花歌」などどれをとっても冴え冴えと華やかで悲哀に満ちています。宝玉を慕って病床にあり、宝玉が瞞されて薛宝釵と結婚の式を挙げているとき寂しく息を引き取ります。 |
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薛宝釵(せつほうさ)
賈宝玉の母方の従妹に当たり、聡明で重厚な人柄。才貌は林黛玉に匹敵します。
母と兄の薛蟠と共に上京して宝釵は大観園の[草衡]蕪苑(こうぶえん)に住みます。号は[草衡]蕪君(こうぶくん)。才徳兼備の人柄で結局賈家の人気も宝釵に集まり史大君に気に入られて宝玉の妻となります。 |
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史湘雲(ししょううん)
両親を幼時に失い、叔父に養われています。賈の後室はその従祖母。
叔父の地方官赴任中、賈家に引き取られて他の姉妹達と大観園で何不自由ない暮らしを送ります。
不幸にもめげぬ快活で近代的な気性の少女。宝玉の玉と対になる金の麒麟をもっていて、暗に「金玉縁」と言われます。
後に良縁を得て衛若蘭(えいじゃくらん)に嫁しますが、若くして夫に死別してしまいます。 |
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賈元春(かげんしゅん)
宝玉の長姉。才徳すぐれ、宮女に召されて貴妃として入内します。賈家にあるときは宝玉をかわいがり自ら手を執って文字を教えた間柄。
親省の際に記念に大観園が作られますがこ幸少なく病を得て早くに薨去します。 |
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賈迎春(かげいしゅん)
栄国邸当主、賈赦の娘。優柔で事なかれの性格。
大観園では最初綴錦閣(てっきんかく)に住み、後に紫菱洲(しりょうしゅう)に住まいします。
温柔だが成見なく、孫家に嫁しますが後に夫に虐待されて病死します。 |
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賈探春(かたんしゅん)
宝玉の異母妹(生母は側室)聡明でしっかり者。賈大観園では秋爽斎(しゅうそうさい)に住みますが、都を離れて遠い周家に嫁がされます。
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賈惜春(かせきしゅん)
寧国邸当主、賈敬の娘。大観園では藕香[木射](ぐうこうしゃ)に近い蓼風軒(りょうふうけん)に住みます。絵に巧みで大観園の風物を描くが孤介な性格で結局は出家して尼となります。
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王煕鳳(おうきほう)
賈lの妻。賈政の奥方王氏の姪に当たります。男勝りの気性の持ち主で史後室のお気に入りで、奥方の信頼もあって栄国邸の奥向きを切り回す辣腕家でしたがいささかやりすぎて人の恨みを買い賈家衰運の中で亡くなります。 |
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秦可卿(しんかけい)
賈珍の息子賈蓉の妻。心優しい美女で黛玉、宝釵の双美を兼ねた佳人ではありますが、情にもろく舅珍との情事を女中に目撃されて恥じて縊死します。宝玉に雨事を手ほどきしたともいわれています。
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李[糸丸](りがん)
宝玉の亡き兄、賈珠の妻。未亡人で貞淑な賢母。大観園では稲香村(とうこうそん)に住み姉妹達の監督に当たります。温厚な人柄で一粒種の賈蘭は後に宝玉と共に郷試に合格して賈家再興を果たすことになります。
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妙玉(みょうぎょく)
賈家とは血縁はありませんが大観園の[木龍]翠庵(ろうすいあん)に住む美貌の有髪の尼僧。
読書人の家に育ち文筆に長じていますが正確は狷介。
宝玉を慕いその煩悩に苦しみますが賈家没落後に盗賊に拐かされて、その後生は
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巧姐(こうしゃ)
lと煕鳳の娘。賈家没落に際し、叔父達の食い物にされようとしましたが栄国邸に出入りしていた劉婆さんに助けられて結局婆さんの田舎で周という農家に嫁して生き延びます。 |
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