「よもぎ餅」
「餅」とは、食偏と并との合体したもので、やはり旁は、併記や併合のとおりいっしょにして一つに固めたとの意から字が出来たのかもしれない。
国語辞典で引くと、“もち米を蒸して搗いた食品”とあるので、一つに固めるの字の意とほぼ一致しています。
ことわざ辞典で引くと
もち食ってから火にあたる
もちの中から屋根石
もちは乞食に焼かせろ魚は殿様に焼かせろ
もちはサルに焼かせろ柿は大名に焼かせろ
もちは餅屋
もち腹三日
もちより粉にいる
ことわざが沢山あるとおり、昔から生活に馴染んでいた食品だったのでしょうか。
そして、旅行に行ってもどこの売店にも“餅”(多少は違うが)はあります。おそらく日本中に餅はあるのでしょう。
アワ餅、キビ餅、トチ餅、くず餅、ヒエ餅・・・もっともっとあるのかもしれませんが、とにかく搗いて固まれば餅と呼ぶのでしょうか。
さらに、餅の中に入れるものでもいろいろあります。
豆、粉海苔、ヨモギが一般的で、私たちが子供の頃はどこの家でも必ず作ったものです。
また、中にアンコを入れたり焼海苔や桜の葉をまいたり、さらにはホウバの葉や笹の葉に包んだり実に多様です。
昔は、いまほど好きなお菓子を食べられなかったので、オヤツとして餅を焼いてもらったのは美味しかったし、また楽しみでもありました。
ヨモギ餅は、餅つきまでになかなか手がかかりますが、なつかしさとヨモギは体にイイような気もして、わが家では春の祭には毎年作っています。
仙人堂住人 野尻 とよ子
ヨモギ餅
材料
餅米 一臼(1.5升)
ヨモギ 茹でたヨモギを団子にして五個ぐらい
ヨモギの茹で方
@ ヨモギとつむのは、4〜5月まででに柔らかい若葉だけを摘むことが大事です。大きくなったものは、上部の芯のところだけを取ることにします。
A タップリのお湯に重曹を(炭酸)を一つまみ入れ、摘んだヨモギをいれてよくかき回す。
B しばらくして引き上げ、つまんでみて芯がなくなっているか茹で具合を確かめる。茹であがっていれば直ぐに水に取る。
C しばらく水に晒しておく。
(新鮮な緑色を留めることが肝要です)
ヨモギの保存
D 冷凍による・・・Cを硬く絞ってビニールの袋に入れ、冷凍庫に入れて保存する。
乾燥による・・・Cを硬く絞って天日に晒し乾燥する。
ヨモギもち作り
E ヨモギもち作るときは、もち米を蒸すとき上部にヨモギをのせ、いっしょに蒸し上げます。
もちつきは、他の餅つきと変わりません。