高橋 真梨子の歌の世界 〜真梨子ワ−ルドって...〜
「私と真梨子さんとの出逢い」
今から6年半ほど前のことである。
当時、私は中学生。何気なく見ていたドラマからある歌が流れたきた・・・。
思わず、テレビのスピーカーに身を寄せる私。
「上手な歌手だなぁ・・・どうして嫌味なく、こんなに色っぽく歌えるんだろう・・・
歌っているのは誰なんだろう・・・」
そしてその時、テレビ画面を追う私の目に「はがゆい唇」と「高橋真梨子」という文字が
うつった。見おぼえのある名前だ・・・
小学生の頃、私はテレビに向かい、高橋真梨子と一緒に「桃色吐息」を歌う度、
隣にいる母に「これ歌ってる歌手の名前、何だっけー」と聞いていた。
高橋真梨子との最初の出会いである・・・。
それから真っ先にレコード店に走ったが、あいにく「はがゆい唇」は発売前で店頭にも
並んでいなかった。
悩んだあげく手に取ったのが「桃色吐息〜黄昏人」というベストアルバム。
このアルバムは何度も何度も聴いた。今思えばシングルを聴かずに、最初から
高橋真梨子の魅力が詰まったアルバムを聴いたのが、良かったのかもしれない。
しばらくして「はがゆい唇」が発売された。私は手にしたCDの歌詞を見て驚いたも
のだ。以前、テレビから流れてくる「はがゆい唇」の歌詞を、聴いたままに書き写したこと
があったのだが、その時書いた歌詞に全く間違いがなかったのである。
「これほどまでに言葉を正確に伝えることのできる歌手はいない・・・」
そう思ったことを覚えている。
ちょうどそのころ、母からこんなことを言われた。
「本棚に『ペドロ&カプリシャス』の『ジョニィへの伝言』っていうレコードがあるかもしれな
いよ。探してみたら?」
予期せぬひとことだった。...これが高橋真梨子との2度目の出会いである。
本棚から見つけたそのレコードのジャケットには、白い子犬を抱き、照れくさそうにほほ
えんでいる高橋真梨子(当時高橋まり)、その人がいた。
レコードを手にしたときの衝撃はとても大きかった。
母が「ジョニィへの伝言」を好んで聴いていたことも知らなかったし、
「ペドロ&カプリシャス」のボーカルが高橋真梨子だった、ということも知らなかったのであ
る。それまで母は、「ジョニィへの伝言」が好きだったとか、ましてや高橋真梨子の歌が好
きだった、などということすら、口にしたことはなかった。
「お母さんも高橋真梨子の歌、好きだったんだ・・・」私はこの時初めて知った。
母は、探し出した「ジョニィへの伝言」のレコードを見るなり
「血はあらそえないって本当だねぇ・・・」とつぶやいた。
私は母の直接的な影響を受けて高橋真梨子の歌と出会い、好きになったわけではない。
偶然が偶然を呼び、その偶然が積み重なった必然の結果とでもいうのだろうか?
ただ、妙な因果を感じてしまうのは事実である。
懐かしそうにレコードを見つめる母を見ながら、私はふと思った。
「もしかしたら私は母のおなかの中で、『ジョニィへの伝言』を聴いていたのかもしれない
なぁ・・・」と。
今でもたまに母が「ジョニィへの伝言」に合わせて口ずさんでいるのを聴くと、
何となく嬉しくなるのはそのためだろうか。
高橋真梨子と母、そして私を結びつけることになった「ジョニィへの伝言」は、私にたくさんの
メッセージ(伝言)を届けてくれた・・・。
なお
「若い女性らしく、フレッシュで、素直な作品に仕上がってます。
“なおさん”とお母様との素敵な思い出、どうぞ、いつまでも大切に...」 ぱるる