続・日本の Magic に起こっていること

　先日私はエッセイで「 Magic の販促は今やＨＪにではなくＷｏＣに直接頼まなければならない。そしてそれには理由がある。」という内容を書きました。そこで今回はその理由について触れます。ただし以下の内容は日本の Magic 関係者に取ってはかなりショッキングな内容だと思うので、ある程度の覚悟を決めて読み進めるようお願いします。 m(__)m 

　さて、では本題に入ります。私がとやかく言うよりも、何よりもまずは以下のデータをご覧下さい。

　これは実際に帝国データバンクさんが発表しているデータと照合して頂ければ分かる事ですが、このデータに私個人は（小数点第３位以下を切り捨てる以外は (^^; ）一切何らの手も加えていません。ＨＪの２００３年３月期の経常利益が“−−−−”になっているのもそのままの転載です。（ＨＪの最新年度の申告所得も記述がありませんでした。）つまり２００３年３月期にＨＪは“ Magic を販売して利益が出せていない”状態になっている可能性が非常に高いのです。しかもＨＪとＰＨの売上の落ち込みはほぼ同額であり、これにより両社の売上減の要因となった相当部分が Magic を占める可能性がかなり高いと思われます。

　前回のエッセイにて私は「今はＨＪやＰＨの売上に占める Magic の比率は低いのではないか？」という話を書きました。この見方に関しては、今回の結果から訂正をせざるを得ないだろうと考えています。やはりＨＪとＰＨの売上に占める Magic の比率は相変わらず高く、そしてそれが売れなくなった故に両社とも前年度の好調振りからは想像もできない苦境に立たされている。データを見ればそう考えるのが普通だろうと思います。というか、もはやＨＪが Magic で十分な利益を上げられていない以上、今や日本国内に Magic で潤っている組織など１つとしてないんじゃないでしょうか。ただし、こうやって現状を垣間見てみると、例えば先だっての Magic 値下げの際にＨＪの取り分がほとんど減らされなかった理由も納得がいきます。そもそもそんな余裕など、もはやＨＪには全く無かったのです。

　あと１つ疑問なのは「ＨＪが取りあえず１９９８年３月期並の売上を上げているのに、なぜ経常利益が出せなかったのか？」という事になります。これについてはやはり Magic の販促にかかる費用、特に直接的には売上に結び付かない競技 Magic の維持にかかる経費が無視できないのではないかと思われます。ただ以前に私が個人的に頂いた非公開資料には「ここ最近の Magic の売上は、日本の Magic 創生期（１９９６年当時）の水準にまで落ち込んでいる。」と読める内容があり、今回公開データによって残念ながらそれが裏付けられた形です。従ってこの翌年（つまり今年度）には更にひどい状態に落ち込んでいる危惧すらあります。あと Magic 全盛期と思われる時期の売上増が、コンビニでの Magic 取り扱い開始といった一時的な要因による物であるとしたら、その反動がここに来て現れたと考えるとかなり話の辻褄が合います。

　ちょっとこれについては私自身思うところ、また書きたい事が山のようにあります。ただそれをまとめるにはちょっと時間がかかりそうなので、まずはこのデータを見てのご感想やご意見を色々ご検討いただければと思います。（うちの常連さんであれば、意見交換の場としてゲスト板などご活用頂いても構いません。何しろ問題が問題なので・・・。）

　以下追記。（ 2004.2.21 加筆）

　という事で、私個人による解析編を書いてみましたので、興味がある方は読んでみて下さい。