マジックが取るべきショップ支援策 
 
 

 今回はウィザーズ社やホビージャパンが取るべきショップ支援策というお話です。

 これは今さら書く必要もないと思うんですが、どう考えても日本のマジックは値段が変です。しかもウィザーズ社は自分でそういう価格設定にしておいて、同時に大量のカードを短期間で使い捨てさせる競技を推進してます。これはおかしいですよね。さすがに私にはウィザーズ社もホビージャパンも頭が悪いとしか思えません。そんなにウィザーズ社やホビージャパンがマジックで競技をさせたいなら私は止めません。あと1パック500円という定価を維持したいならそれでもいいと思います。でもそれならせめてマジックの仕入れ原価を今よりも下げることは考えていただきたいです。そうすれば定価売りでサービスを頑張るか、経費を節約して値引き販売で頑張るかをお店側が選択できます。実際には並行輸入の英語版が1パック400円足らずで売られてるのが現実なんで、少なくとも1パック380円〜420円(税込み)程度が日本のマジックの実勢価格になってほしいです。まあしかし、それでもポストホビーさんは税別500円でマジックを売り続けるんでしょうけどね。

 あとウィザーズ社やホビージャパンは今後、そういう高額な価格設定のパックを日本のデュエリストに買わせる動機付けを絶対にしてください。この前の10周年イベントの説明会でも、結局「どうすれば500円のパックを日本のデュエリストに買ってもらえるのか?」という具体的な提案は出なかったみたいですね。これって考えてみれば当たり前なんです。そんなアイディアありっこないですもん。でもそれでもウィザーズ社やホビージャパンは今の流通を維持したい。500円のパックの定価販売と、競技イベントしか満足な販促がない今のマジックで商売を続けたい。そういうことなんですよね。それだったらそうなるような工夫をぜひともしてください。そういう工夫を全く見せずに口先だけで日本市場の重要性をアピールする。そういうやり方ってもう日本のデュエリスト達は飽き飽きしてるんです。だってそれって今までホビージャパンが散々使ってきた手で、それで日本の多くのデュエリスト達はマジックに愛想を尽かしちゃったんですから。

 次にその競技イベントに対するサポートです。例えばアリーナリーグの大会キットって、有料のくせに中身が無償配布のアクエリアンエイジの物より劣ってるように見えるのは気のせいなんでしょうか。有料で買わせるのであれば、せめて無償で配布してる国産TCGのものより遙かに充実した内容にしてください。ましてや米国の大会で余った余剰カードの使い回しなんて以ての外ですよ。これはホビージャパンがちゃんとウィザーズ社に文句を言うべきでしょう。それが言えない。言ってきてないから日本のマジックはなめられてしまってる。世界的に見た地位が向上しない。そもそもウィザーズに大事にされてない。そういう印象をデュエリストは持っちゃうんですから。

 また競技指向の高まりがフレッシュパックへの購買意欲を失わせてるという現実があります。パックから引き当てたレアのうち実際に自分で使うのは1割あるいはそれ未満。それじゃあ誰もフレッシュパックなんか怖くて買えないと思うんです。でも昔のマジックは引き当てたレアの半分がデッキで使われ、残りも大部分がコレクターのファイルに吸い込まれていく。だから安心して買えたんです。そういうマジックをもう一度復刻させてください。そうしないといよいよ皆さんシングルカードにしか手を出さなくなります。まあそれでもシングルカードを買ってもらえるだけましなんですけど。

 それとそもそものお話として、今日本でマジックを売ってるお店のうち、日本のマジックに本当に必要なお店ってひょっとすると半分ないんじゃないでしょうか。定価売りで何のユーザーサポートもしないお店、そんなの少なくともデュエリストは誰もいらないでしょう。多分マジックってコンビニエンスストアや大手スーパーのおもちゃコーナーで売るべき商品じゃないんです。そういうお店で売ってもマジックは売れない。そんなことはそのお店が「マジックの取り扱いをしたい。」とホビージャパンに申し出てきた時点で気が付きそうなものです。でもホビージャパンはそのことには一切触れずにマジックを扱わせた。それは結局ウィザーズ社やホビージャパンの利益しか見てなかったということですよね。そんなの卑怯じゃないですか。それだったら最初から「そういう売り方でマジックを売っても利益は出ませんよ。」という忠告と、ちゃんとお店がマジックで利益を出せるような提案をする。それが代理店の仕事なんじゃないでしょうか。こういう機会なんで書いちゃいますけど、これ以上罪もないお店をマジックに巻き込むのはやめてほしいです。だからどこかの店長さんに「これってマルチ商法じゃないのか?」とか言われちゃうんですよ。

 …一応私は今までそれなりに冷静にエッセイを書いてたつもりなんですけど、今回は相手がウィザーズ社やホビージャパンなんで、この位の内容を書いてもいいんじゃないかと思ってます。それにしてもウィザーズ社やホビージャパンって、未だに日本のマジックを成功例だと本気で思い込んでるんでしょうか。しかし世に存在する多くの本物の成功例って、それでもなお更なる成功に向けて頑張ってるんですよね。でもマジックにはそういう素振りがこの期に及んでも見られない。案外ウィザーズ社やホビージャパンは既に日本のマジック流通そのものを投げちゃってて、今は必死になってその代わりとなるものを探してるのかもしれませんね。例えばオンライン・マジックとか。これじゃあ後に残されたマジックのお店があまりにかわいそうなんですけど。

 ということで、第五部はここまでとしたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

     

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