楽しいマジック復刻計画・序章 
 
 

 今回の第六部は“楽しいマジック復刻計画”と題して書いてみたいと思います。

 マジックは日本で多くの人達に楽しまれた面白いゲームだった。それは間違いなく事実なんだろうと思います。だってマジックがそういうゲームでなかったら、それを真似した別のカードゲームが登場して、それが日本でブームになるはずがないんです。確かにマジックと遊戯王OCG、どちらが面白いかというと様々なご意見があるだろうと思います。でもそもそもその遊戯王OCGがマジックをきっかけにして生み出された。それはマジックというTCGにそれだけの魅力があったからなんだろうと思います。実際に遊戯王のマンガは当初マジック漫画として連載される案もあったそうですし。

 でもその割にマジックって今は遊戯王OCGほどの知名度も市場規模もなさそうです。しかも最近はあちこちから衰退を危惧するご意見すら聞かれます。それはなぜなんでしょうか。以前からあいせん君が書いてる対戦格闘ゲームの事例の中に、実はその答えがあるような気が私はしてます。つまり前作が具体的にどう面白くて人気が出たのかを分析しないまま続編が作られてるということ、言い換えるとマジックの本当の面白さを次の世代に継承できてないということなんじゃないか。私はそんな気がしてます。

 例えばマジックにはかつてアンティ戦というルールがありました。創生期のマジックってアンティを賭けて戦う(負けたらカードを奪われる)のが当たり前だったんです。それが「マジックは賭博性のある遊びだ」という世間の批判を恐れてかルールが変わった。確かにそれで若年齢層はマジックに手を出しやすくなり、マジックは競技としての完成に一歩近づいたと思います。でもそれでマジック本来の面白さって目減りしたりしなかったんでしょうか。だってアンティがルール上廃止されて以降も、昔のデュエリスト達はフェイク・アンティというルールを随分と長い間続けてました。本来なら賭け札となるライブラリトップのカードをめくってゲーム除外する。たったこれだけのことがデュエル中に様々な喜怒哀楽を巻き起こしていました。1枚だけ持ってるセラの天使をアンティにされて悶絶する人、いきなりデッキのキーカードを公開されて慌てふためく人、そしてアンティから対戦相手のデッキをあれこれ想像する人、実に悲喜こもごもあったんです。

 そういう昔のマジックのお話って、今のデュエリストさん達は知る由もないですよね。アンティルールを現役で遊んでた人達はその多くがマジックを去り、残ってる人も今ではすっかりその口が重いようです。だって最近のデュエリストってスタンダードの最強デッキ&カードにしか興味がないみたいですから。でもそういう風潮が昨今のマジックの不振で少しずつ変わりつつある気がします。みんな「どうやったら再びマジックは盛り上がるんだろう?」と考え始め、その答えを探し求めてる。どこかの誰かさんが雑誌やWebサイトであおり立てる競技マジックに飽き飽きしつつある。だとしたら昔の本当に面白かったマジックを知ってる人達が持ってるおじいちゃんの知恵(!?)を今こそ後進に授けるべきなんじゃないか。私はそう思ってます。

 というわけで、これ以降はそういった昔遊ばれた面白いマジックを色々とご紹介していこうと思ってます。たださすがにあいせん君や私が持ってる情報量には限界があるので、もしこれを読まれて「だったら僕が知ってるこんなお話も紹介してよ。」というご意見や情報があれば、ぜひともメールなどでお教えいただければと思います。

 という事で、次回のテーマはそういう視点で見たマジックのフォーマットにしたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

     

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