スポンサーやメディアへの露出不足 
 
 

 今回はスポンサーやメディアへの露出不足について書いてみます。

 マジックって今はともかく、それこそかつてはそれなりに1つの時代を築いた遊びなんじゃないかと私は思ってます。でもそれにしてはマジックって日本での知名度は低いみたいですし、競技イベントにスポンサーが付くといった状態にもなってませんよね。これについてあいせん君は「日本国内で発生するマジックの利権をホビージャパンが独占しようとした結果だろう。」と言います。確かにそういう面はありそうな気がしますね。マジックを利用して他の出版社や企業が利益を出せるようになってれば、そういう企業が更にマジックを盛り上げるために競技マジックにも参与してくれたでしょうから。

 最近考えてるんですけど、現状のマジックの代理店制度って実は競技マジックの推進にとってはむしろ足かせになってるんじゃないでしょうか。1つの国に1つの代理店しか置かない。そうなれば当然その代理店は自国内で発生するマジックからの利益を独占しようと考えるでしょう。でも少なくとも日本ではそれによって様々な弊害が起こってます。実際にだからマジックは少年ジャンプへのマンガ連載のチャンスを逃し、今はそこから生まれた別のカードゲームにシェアを脅かされてるわけですし。そしてそれによりマジックがもの凄く閉鎖的な遊びになってしまい、結局競技イベントへのスポンサーが現れないことにもつながったと思うんです。そりゃあホビージャパンが一社で多額の資金を出して競技イベントを支えてくれる。例えばウィザーズ社みたいにマジックからの売り上げの2%を競技イベント、それも賞金として支出してくれるならそれでもいいんでしょうけど、実際には皆さんご存じの通りホビージャパンってしぶちんですからね。

 では例えば日本でマジックを扱ってる大手の販売店、例えばフューチャービーとかマナソースがホビージャパンと同じ代理店という立場だったらどうでしょうか。多分両社は競技マジックの推進に多額の投資をして下さるだろうと思うんです。日本選手権に3000円なんて参加費を取ることはなくなるでしょうし、トラベルマネーにしてもそれこそ予選通過者全員に実費を支給してくださるんじゃないでしょうか。日本で競技マジックをきちんと普及/発展させたいと思ったら、普通はそこまでやって当たり前、というかそれが必要最低限の出発点なんですよ。それで競技が盛り上がって更に市場が発展すれば、それが自社の売り上げとなってフィードバックされることは分かり切ってるんですから。(ただこれについてあいせん君から追加の情報提供がありました。それによると既にフューチャービーの母体であるハドソンは「カード事業については規模の縮小・均衡を図っている(平成15年度中間決算短信より)」という旨を株主向けの資料に明記されてるそうです。2002年度の中間決算ではカード事業は赤字だったみたいですし。)

 ウィザーズ社やホビージャパンがそれでも今の流通システムを維持したいなら、やはり最低でもユーザーがそれによる不便を感じない工夫はすべきなんじゃないでしょうか。はっきり言って日本のマジックは今、値下げをしたって現状が維持されるかどうか分からない状況になってると思います。だったらやはり値下げはすべきなんじゃないでしょうか。あと日本独自のマジックイベントとして、日本語版拡販を狙って日本語版限定のイベントを開くのも構わないと思います。でもそれならせめて参加費は無料で、それなりに遠方からも遠征のし甲斐がある豪華な賞品が出るものにすべきでしょうね。だって日本語版ユーザーはそういう要求を出すに値する負担をしてきてるわけですから。

 これは前にもどこかで触れてるお話なんですが、スポンサーやマスメディアだって自社に利益があると判断すればマジックを取り上げるし、逆に利益がないと判断したから今は取り上げないんだと思います。そして色々と考えてみると、どうも今マジックが他社に相手にされてない最大の原因ってマジックの代理店制度にあるんじゃないか。これが私の結論だったりします。日本国内に複数の代理店があると何か不都合が起こるんでしょうか。でもその複数の企業に価格やサービスを競わせることが、結果的にはマジックという遊びの発展には間違いなく貢献するはずなんです。あいせん君が前に書いてましたけど、今のマジックには内部に健全な摩擦が必要だと思います。企業がマジックを売るために切磋琢磨する。競技プレイヤーがより高額の賞金と高い知名度を得るために競う。そういう雰囲気が今のマジックにはないからこうなっちゃった。私はそう思うんですが。

 という事で、次回は改めて競技マジックの是非について考えてみたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

     

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