第五部・総括 
 
 

あ い こ :ということで、第五部の総括です!」
あいせん:今回もよろしくお願いします(ぺこり)。」
あ い こ :…なんかいつもと比べてしおらしくないですか(じと目)。」
あいせん:いや、今回は特に変なことは企んでませんよ。咳が治りきらない上に食欲が落ちてて、ちょっと体力的に厳しいだけ(笑・・・えない)。」
あ い こ :声も相変わらずちょっとだみ声ですしね。昨日よりはかなりよくなりましたけど。」
あいせん:えぇ〜、こっちでオスのカエルがゲロゲ〜ロ…
あ い こ :そんなの今時誰も分かりませんって。 (^^;」
 
 
あ い こ :これは私よりもあいせん君の方が身につまされてると思うんですけど、やっぱりマジックショップの経営って難しいですね。」
あいせん:そうだねえ。マジックというかTCGって他の業種での経験や知識が通用しない部分が多いから。一般的なおもちゃの売り方とも微妙に違う。しかもマジックの場合、そこにいびつな流通と過度の競技偏重が追い打ちをかけちゃってるから。」
あ い こ :ただ最後のエッセイを書いてて自分でも驚いたんですけど、結局日本のマジックって今は“競技”と手を結ばないと生き残れそうにないんですよね。」
あいせん:現在カードを買ってる主流が競技指向の強いプレイヤーである。DCI公認トーナメントを開くこと以外に有効な販促がない。ファンデッキやコレクションといった楽しみ方が今のマジックではほぼ不可能。そう考えるとそういう結論にならざるを得ないと思うよ。」
あ い こ :つまり結局のところ、並行輸入の英語版に流れちゃったデュエリストを日本のマジック市場が取り戻すしか、日本のマジックショップを元気にする手段はない。そういうことなんですね。」
あいせん:日本でマジックに投資されるお金の相当部分が米国に流れちゃう。これじゃあ国内のマジックに関するインフラが整備されることは期待できないだろうから。ただ実際にはかなり難しいけど。何しろホビージャパンはおろかウィザーズにすら打開策はなさそうなんで。」
あ い こ :マジックショップが独自にできる販促とか対策には限界がありますよね。」
あいせん:それも間違いないかな。日本語版発売から6年以上経つのに日本でのマジックの知名度がこのレベルじゃあ、さすがに販売店単位では打つ手がないと思う。」
あ い こ :そうなんですよね。」
あいせん:そもそも世の中では『あの遊戯王カードゲームの元ネタになったゲーム』という認知が主流だったと思われるけど、それでもマジックというゲームを知ってくれてるだけまし。そんな感じかな。中には逆に『遊戯王をパクった米国のゲーム』とか思ってる人も少なくなさそうだし(笑)。」
あ い こ :最近米国ってなんかあると日本をパクりますからね。○○○○○○○とか○○○○○o○とか。」
あいせん:これこれ、こんなところで○o○○ーネタですか(汗)。」
あ い こ :まずかったですか?」
あいせん:いや話題そのものはともかく、あそこは版権がうるさいから『うちの作品の名前使うなら金払えや!』とか言いそうな気がする(爆)。」
あ い こ :分かりました。そういうことなら伏せ字にしておきます。」
あいせん:それにしても最近あいこ先生のコーナーって伏せ字多くない?」
あ い こ :…それって誰のせいだと思ってるんですか!(笑)」
あいせん:すいません。 (^^; 話を本題に戻しましょう。」
あ い こ :はい、そういうことなら。あいせん君がこの前書いたじゃないですか。『日本のマジックは大きな話題がないであろう2004年〜2005年の間をどうやって過ごす気なんだ?』って。あの後私も考えてみたんですけど、実際思いつかないんですよ。」
あいせん:うん、取りあえず2003年は年内いっぱいメガイベントの余波があるだろうし、そのおかげで日本選手権やFinalsの賞金が減らされることもないだろう。ひょっとするとご祝儀で増額される可能性すらあるかな。あと2006年に入ってしまえば4月あるいは夏のイベントに向けて自然と盛り上がる…と思いたいねえ。 (^^; 問題なのはその谷間の2年間なんだ。その間に日本選手権やFinalsの賞金が減額されるような事態になれば、それこそ日本の競技マジックは一気に冷却化するだろう。」
あ い こ :何だかんだ言っても日本のマジックって競技イベントで維持されてますからね。しかもその2年の間に競技以外のマジックの楽しみ方が普及すると思えませんし。」
あいせん:というか、メガイベントも相変わらず競技指向が強いよね。競技指向のないデュエリストが心底楽しめそうな企画って1つもない気すらするよ。」
あ い こ :ミニトーナメントなんかも、結局のところ強い人が賞品をもらって終わりでしょうから。」
あいせん:今のところ僕が想定してる最悪のケースは『メガイベントがずっこけて、それを見たマジックショップの大半がマジックに愛想を尽かして逃げ出しちゃう。』なんだけど。でもこのままだとそれもあながち…」
あ い こ :あんまり怖いこと言わないでくださいよ。」
あいせん:いや、確かにメガイベントの中身云々の話もあるんだけど、それ以前に『そもそもメガイベントが開かれるまで日本のマジックって持つのか?』という気すらする。」
あ い こ :いやなお話の展開ですね。」
あいせん:アルファ版の発売は1993年8月だから、メガイベントのメインは2003年8月に開催されるはずなんだ。それに合わせて第8版の発売時期までずらしたし、しかも世間は夏休み真っ盛りだからね。しかし8月というとオンスロートサイクルの3つのエキスパンションが発売されて評価が固まる時期とも一致する。果たしてマジックはそこを乗り切れるんだろうか。」
あ い こ :確かにオンスロートの売り上げはあまり良くない印象がありますよね。」
あいせん:しかもそういうイベントは多分東京開催だろうから、やったはいいが結局はポストホビー直営店のてこ入れにしかならない可能性もある。さすがにもう皆さん騙されないでくださいね〜。マクドとのタイアップキャンペーンも、有名映画やメディアでのCM放映も、結局のところ目的の半分以上は関東地方にあるポストホビー直営店の販促ですよ〜。」
あ い こ :…誰に向かって呼びかけてるんですか?」
あいせん:…世間一般に(笑)。」
あ い こ :でも確かに、少なくとも福井のマジックショップには何のメリットもなかった気がしますけど。メガイベントにしても、今のままだと関東地方以外のマジック・コミュニティにメリットをもたらすとは考えにくいですね。」
あいせん:しかもその費用をウィザーズ社に出させてるのもかなり閉口物だったりするよ。要するに日本向けの販促予算をポストホビーのため、言い換えるとマジックの定価販売を維持するために使ってる。そういうことになるから。でもそもそもホビージャパンってウィザーズ社にもらったプロモカードをワイバーンの販促物としてばらまいちゃうような会社だからなあ。」
あ い こ :まあ言われてみるとそうですね…あ、そういえばそのワイバーンなんですけど、なんか営業形態が変わったというお話を聞いたんですが。」
あいせん:僕も詳細は分からないんだけど、なんでも“渋谷の某センターの売店コーナー”になったという噂だよ(爆)。」
あ い こ :そうなんですか!? (^^;」
あいせん:この辺は告知もなければ情報もあまりないんではっきりしないんだけど。ただホビージャパンやポストホビーのWebサイトからはワイバーンの名前はきれいサッパリ消えちゃってるね。以前はタグが張られていてワイバーンのサイトに行けたはずなんだけど。」
あ い こ :この辺は追加情報を募集しておきましょうか。」
あいせん:それはお願いしておきましょう。何しろ渋谷になんか金輪際用向きがないもんで。 (^^;」
あ い こ :ワイバーンってある意味で“日本のマジックショップの模範例”であるべきお店なんですよね。もしそれがこういう形で営業規模を縮小したとすると、要するに『やっぱりマジックは売れてない。』ということの証明になりませんか?」
あいせん:ただ申し訳ないけど、万が一ワイバーンがこの世から消えてなくなったとしても、多分『なんで?』と思う人よりも『やっぱり!』と思う人の方が圧倒的多数だと思うぞ。」
あ い こ :やっぱりあいせん君は、この手の話題を語らせると実も蓋もなくなりますね。 (^^;」
あいせん:でもワイバーンってグランプリなんかでもショップを出してるけど、少なくとも僕が見てる範囲じゃいつも閑古鳥が鳴いてたよ。なんか買うとプロモがもらえるから、じゃあ今回は1枚だけ欲しいから適当に買っておこう。そんな感じだもん。だって他の日本のマジックショップの現状、あとホビージャパンのお粗末な販促と比較すると、お買い上げ3000円でプロモが1枚もらえるなんて夢みたいなお話だもん。」
あ い こ :ある意味アクエリアンエイジよりも手厚いですもんね(笑)。」
あいせん:まったくだ。 (^^;」
あ い こ :そういうことですと、ホビージャパンがプロモカードの発行を熱望するのもうなづけますね。」
あいせん:まああくまでも“日本のマジックのため”じゃなくて“自社直営店の売り上げアップのため”っぽいけど。しかもこの期に及んでなお販促に自社の経費を使いたくないというドケチ精神が丸見えだよ。」
あ い こ :でも言っちゃうと、そういう販促の恩恵が得られない大多数のマジックショップはもっと大変なんでしょうね。」
あいせん:まあね。大会を開けばすべて店の持ち出し。デュエルルームを作れば躾のなってない“おがきさま”や鮫御一行様のたまり場にされる。しかもそれで店に来る人の多くは店でカードなんか買っちゃくれないときたもんだ。」
あ い こ :え…“おがきさま”ですか。どんな字を当てればよろしいんでしょうか。 (^^;」
あいせん:ああ、ごめんごめん。“お”は御中の御。“がき”は片仮名でガキ。“さま”は敬称の様。それで“御ガキ様”です。」
あ い こ :なんですか、それ?」
あいせん:昔あるデュエリストさんが作った造語。店員から見ると躾のなってない子供なんか『このくそガキゃ〜!』なんだけど、でも店にとってはお客さんだから敬称は付けないとまずい。だから“御ガキ様”。」
あ い こ :それって敬称を付ける意味がないと思いますけど(笑)。でも本当マジックショップさんの実状って、見てると私なんかため息しか出ませんよ。よく皆さんそれでマジックの販売を続けてますよね?」
あいせん:はっきり言うけど“好きじゃなきゃできない”と思うな。これは今や並行輸入ショップにも言えると思うけどね。おかげで随分と無理をして日本語版を扱ってるショップすらありそうな気がするよ。並行輸入のカードで生じた利益で、ホビージャパン経由で入る高いカードを埋め合わせて売ってる事例は実際にあるし。」
あ い こ :やっぱりそうなんだ。私もあいせん君もこういう場で精神論を語るのは好きじゃないんですよね。でもこの問題に限って言うと『自分の周囲で頑張ってマジックを売ってるお店があったら、ぜひとも感謝の心を持ってお店を育ててください。』というのは言いたいです。実際にそういう行きつけのお店を失って、マジックをやめていったデュエリストだって大勢いるんですから。」
あいせん:それは言えてるなあ。マジックって売ってるお店によってその付加価値が大きく左右されちゃう。なのにお店をちゃんと育てずに闇雲に市場規模の拡大しか見てなかった。その辺がマジックの敗因の1つになってると思うね。」
 
 
あいせん:さて…気になる第六部のテーマなんですが。」
あ い こ :…実はまだ決まってないんです。」
あいせん:えええっ!? (^^;」
あ い こ :だって第五部を思い切り飛ばしちゃったんで、考える暇がなかったんですよ。」
あいせん:まあ、そういうことならテーマが決まるまでお休みすればいいと思いますよ。その間はなんとか僕が間をつなぎますから…って、ちがうやろ〜!(爆)」
あ い こ :本当そうですよ(笑)。まあ第零部の方は話題が見つかった時点で随時公開、ということで。」
あいせん:そろそろ本気で僕が『なぜマジックは滅んだのか?』とか書くのかなあ!?」
あ い こ :取りあえずもうちょっと様子を見てからにしませんか。今は多くの人達が必死になってマジック復興に動いてるはずなんですから。」
あいせん:正確には『今はまだ…』だな。さすがにオンスロートが売れなくて叩き売りとかが始まったら、それを期に更に大量のショップがマジックを離反する気がするよ。もうさすがに復興に目処が立ちそうもないだろうから。」

     
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