灰からの蘇生は成し得るのか?( 2004.2.24 )
 掲示板に書かれた「中国語(繁体)版生産休止をどう見るか?」というお話を。(ちょっと掲示板に書くには相応しくないかなと思ったのでこちらに書きます。)

 先にお知らせしている通り、2003年3月期においてHJは経常利益及び申告所得が“無かった”状態にある可能性が非常に高いのが現状です。(なぜ“可能性・・・”と言っているかというと、資料に記述が無い=実際に無かったと100%確信できる証拠がないからです。まあ多分実際に無かったんでしょうけど。 (^^; )そしてその最大の理由はやはり“ Magic の販売不振”にある。過去のHJの業務内容から察すればそう考えるのが普通です。そしてそれと同時に、日本国内には今や外国から安い Magic 英語版が大量に輸入され、間違いなく日本国内で動いている Magic に費やされる資金の相当部分を吸い上げています。しかもそのうちの一部は外国の問屋ではなく、どうやら外国の代理店から直接日本国内に卸されている。これはあくまで噂レベルの情報ではありますが、しかしそう考えると現在起こっている様々な事象に説明が付きます。

 そのいわば“他の代理店の縄張りを荒らしている代理店”の1つが中国にある・・・らしい。そういう話はそれこそ私自身も、複数のチャンネルから“事実”として伺っています。もしそれが本当であったとしたら、そういう代理店には本来なら何らかのペナルティが課せられて当然だし、また課せられるべきなのでしょう。ですから私としては「WoCは日本の Magic 流通を維持するためにちゃんと仕事をしているのかな?」という、むしろ肯定的な意味合いを込めてこの話をしているのです。まあそもそも Magic の流通を維持するという意味では、WoCやHJが出だしというか根本的な発想を間違えているのは否定できませんが。 (^^; ただ私が伺っている話ですと、過去には代理店そのものが消滅している(=WoCから代理店資格を剥奪された)という事例もあるらしいので、そういう意味で今回のペナルティはまだ甘い位なのかも知れないのですが。

 実はこのまま何も起こらずに話が推移すると、日本の Magic は「並行輸入の英語版に依存した事で日本国内での見かけ上の Magic 販売額が減り、それを口実にWoCが日本への賞金支出減額やサポート縮小を言い出す口実を与える。」という最低の悪循環に陥ることになります。ただもしそういう形でWoCが Magic の流通を正常化(!?)しようとするならば、少なくともHJ経由の Magic が売れない理由をWoCは正しく認識しているという事になり、それにより例えば日本選手権の賞金減額といった措置の施行が遅らされる可能性があります。そして日本からデュエル・マスターズの売上アップで大量の資金が流れ込むとすれば、それによってWoCは逆に日本向けの Magic サポートを充実させる可能性すらあります。デュエル・マスターズを卒業したTCGプレイヤーの受け皿として Magic が機能する可能性はある訳ですので。

 しかし、だからといって日本のデュエリストが、このまま日本国内での(HJ経由で売られる) Magic の売上減に何らの対策も講じなければ、まあ仏のWoC(!?)だって将来的に(あるいは近日中に (^^; )“伝家の宝刀”を振り下ろす可能性があります。あとそもそも「日本の Magic トーナメント・プレイヤーはデュエル・マスターズを買っている子供に食わせてもらっている。」なんて事態は絶対に避けたいでしょう(笑・・・えない)。でもHJ自身が今や Magic から利益を上げられていない現状では、半ば既にそういう事態に陥っていると言われても仕方ない状況になりつつあるのです。まあここまで日本の Magic が追い込まれた以上、今更過去の話をほじくり返してもしょうがないでしょう。ただ、じゃあ皆さんこの先どうするおつもりなのか。私が伺いたいのはその1点です。それとも相変わらず皆さんは、私の発言への揚げ足取りで世間の目をそらし、それこそ日本選手権そのものが消滅するまで何もされないおつもりなのでしょうか。

※ 2004.2.25 追記

 もし今回の件にペナルティという意味合いが全くないのであれば、今まで繁体版を扱っていた代理店に簡体版を回して中国語版の販売を継続させる事はやるだろうと思います。ところが実際には繁体版を扱っていた某並行輸入ショップさんには簡体版は入荷していないように見受けられます。これで“販売が芳しくない中国語版を一本化した”事だけが繁体版廃止の理由と考えるにはあまりにも不自然です。それと過去にあった韓国語版廃止ですが、これについても実はこの手の“黒い噂”があったりします。 (^^; 実際一時期日本国内にはもの凄い量の韓国語版が入っていましたよね。

 前から言われているように、韓国語版と繁体版には“それが売られる地域の人は基本的に英語に堪能である”という共通点もあります。ただ Magic というゲームにもうちょっとコレクション性が残されていれば、こういった言語版はそれこそ世界中で買われてそれなりに売れた可能性は十分にあります。しかし実際にはWoCは、自らが作った代理店制度(=英語版以外の言語版はその国の代理店に全量卸す)と競技偏重(=プレイヤーが判読できない言語版は嫌われる&コレクターが Magic に定着できない)によって、そういう販路を自ら絶ってしまった訳です。世界展開を実現しているゲームという Magic の大きな売りを、実際にはWoCは自らの一連の失策で拡販に活かしきれなかったのです。




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