だから“殿様商売”なんだって( 2004.2.23 )
 現在行っている“ Magic からの引退理由に関するアンケート”について (^^; 途中ですが投票内容を見てちょっと思ったことを。

  Magic をやめた理由として「個人的な事情(金銭面/時間面)」を挙げる方は決して少なくはないだろう。そういう印象は私自身にもそれこそアンケート開始前からありましたし、恐らく多くの Magic 関係者もそう思われているだろうと思います。そして決して少なくない方が、同時にこういう理論もお持ちだろうと思います。「つまり彼らがやめた理由は、お前(=あいせん)が言うような Magic の売り方のまずさとか競技偏重の弊害じゃない。従ってWoCやHJには(彼らが Magic を放り出した事について)何の落ち度もないんだ。」ってね。でもそれって果たして本当にそうでしょうか。

 趣味なんて物は、各々の人生の合間に様々な形で織り込み、そして人生の余力を使って楽しむ物であるべきだ。私はそう考えています。人間は生きていくためには何らかの職業に就き、収入を得て飯を食い、必要最低限にでも身支度を整え、そして睡眠をとらなければいけません。学校に通っている人達だって、ある意味そのご褒美として保護者からお小遣いという収入を得ているはずです。そして仕事やお小遣いなどで得た収入は、そういう生きていくための活動に何よりも真っ先に使われる物です。それでも余る時間やお金があるから人は趣味に打ち込める。そんなの当たり前ですよね。

 じゃあ決して少なくない人達が、なぜその人生の余暇に Magic を織り込めなかったのでしょうか。それは並行輸入業者に圧力をかけてまでパックの値段を上げた。あるいは競技を煽る事でより多くのお金や時間をデュエリストから奪おうとした。そういうWoCやHJの姿勢が災いして Magic という遊びが肥満化し、多くの人達の余暇時間には到底組み込めない(=金や時間を湯水のように浪費できる人にしか手を出せない)趣味に変質してしまった。そういうことでしょう。そうだとしたら、それは誰でもないWoCやHJの失策であり、そのHJまでもが満足な利益を出せない位 Magic の不振が決定的となった今、やはり厳しく糾弾されるべきなのです。

 本当に面白い趣味は、それこそ受験期間であろうが仕事が毎日深夜まで続こうが、どうにかこうにかお金や時間をやりくりして遊び続けてしまう。あるいは不思議と遊び続けられる物なのです。それは皆さんにも何か1つ位思い当たる事があるでしょう。かなり昔の話になりますが、私の知り合いの中学生(当時)などは県内最難関の高校を受験するのに、受験日直前の日曜日に喜々としてうちにNEO・GEOを遊びに来やがりました(笑)。しかもその子が遊びに行くという事で、母親が昼飯におにぎりを作って持たせるという念の入れようです。 (^^; そして彼はちゃんとその第一志望の高校に受かりました。まあ私自身も高専受験の直前はゲーセンで宇宙人を撃ちまくってた記憶がありますし、まともな休日もなく深夜までの勤務が続いた日々でも“吉牛食ってから春麗と遊ぼう”という帰宅コースが変わる事は無かったですので。

 私が知る限り、少なくともミラージュサイクルの頃までの Magic は、そういう“何もかも忘れて遊んでしまう魅力のある趣味”だったはずなのです。ところがどうも最近はどういう訳かそうなっていない。はっきり言っちゃいますが、だから売れなくなったんじゃないですか。私が事ある毎に「 Magic は引退したデュエリストの意見こそ聞くべきだ。」と言っているのはそういう理由です。HJの Magic の売上が今や全盛期の半分あるいはそれ未満に落ちている。それはつまり「現役のデュエリストと引退デュエリストの人口を比べた場合、今は引退組の方が多数派になっている可能性が高い。」という事なのです。それでもWoCやHJは現役のデュエリスト、それも競技指向に凝り固まった一部プレイヤーの意見しか聞かないのでしょうか。だとしたら、恐らくは今後も今までと同じだけの比率で、毎月あるいは毎年確実に Magic からの落伍者が現れ続けるでしょう。そして最終的には“誰もいなくなる”のです。一旦は自らの人生に Magic を組み入れた人達が、何か理由を見つけて Magic から離れてしまう。あるいはそもそもその他大多数の人達に、自分の人生の中に Magic を取り入れてみようという発想を持ってもらえない。それはやはりどう考えても Magic の売り方に問題がある事の何よりの証なのです。




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