お座敷遊びの体験も無く太鼓持ちの存在も全く知らない若手お笑い芸人二人が、笑福亭鶴光師匠の紹介で「太鼓持あらい」に弟子入りするバラエティー1時間番組。 　2002年2月に新潟の映像製作会社「グリップ」の製作ディレクター渡部様より突然のメール、「実はフジテレビ系列のローカル局企画コンペに提出した『おくゆるし』が1位に成りました、その企画は太鼓持あらいを主役にしたものです、そこで企画書先行で申し訳ございませんが、ご出演ご協力の程よろしくお願い致します」との事。 　へぇ～逆から来ましたか、でも私のホームページを見て面白いと感じ、企画したら通っちゃったと言う事は、面白そう～と感じた方が多かったと言う事、こりゃ～口車に乗っかってドボンしてみるのも面白い体験に成るのではと思い、承諾致したらやっぱり、丁寧なお言葉でお願いされますが内容はほぼ選択の余地の無い命令文、美人に言われると「ハイ解りました」と答えるポリシーの無い自分に出会いました。 　構成・脚本は放送作家の鵜沢先生、始めてお会いしたのに気さくな方で、お食事をしながら今まで関わられた番組の裏話や芸人さんのお話で雰囲気を和ませ笑わせて、その間にしっかり私を観察され読み取られたご様子、頭の回転の早い方でした。 　8月2日に東京のお座敷で撮影、初めてお会いする江戸深川の芸妓「ぎん子姐さん」は江戸っ子気質の気さくで粋な感じの姐さんですが、さすが踊りの時はキリッと筋が通った中にも艶っぽさが有りましたね。 　笑福亭鶴光師匠ともお会いするのもこの時が初めて、お着物にお着替えになられるのかな～と思っていましたら、気さくな服装で来られてそのまま簡単な位置決めだけで一発本番、打ち解け易い和みと雰囲気を持っておられる師匠に助けられました。 　金沢東茶屋のお座敷では鶴光師匠と私を一緒にしておくと、面白い話を本番前後にも関係無くジャンジャン喋ってしまうので、ディレクター渡部様は常に本番以外でもカメラを廻させたり、二人が合って話をしない様に気を配ったりで大変な様子でしたが、私にとっては関係者の中で唯一お座敷の話が通じる人、楽しくってしょうが無かったですね。 　松竹芸能の若手お笑い芸人Ｔ・Ｋ・Ｏ（木本　武宏さんと木下　隆行さん）の二人は、太鼓持ちなんて生物を聞くのも見るのも初めて、8月には見習いと称して我が家(あらい太鼓持事務所)に泊まり込み、どっちがお弟子さんに入ったのか解らない程雑用が増えましたが、積極的に聞く姿勢には感心しました。

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