第5集 猛暑日
第3章 長男夫婦
長男夫婦
星山で肉を買い込み盆を待つ兄貴夫婦のいつもの仕事
大柄な母もいつしか年とりて布団の準備も最近は吾
パックにて注文したるお惣菜手間をかけずに金を掛けたり
友人や同窓会で忙しく帰った娘家には居らず
貴重なる春の連休田植えにて秋の休みは稲刈りに消ゆ
残りたる盆正月の休暇さえ毎年変わらぬお世話で消える
親を看て孫看て過ごす毎日に長男夫婦は不平も言わず
キャンパーで旅に出たとて何悪い息抜きなしでは気持ちが持たぬ
白髪増え自分も老いし兄夫婦疲れる日々に出口を探す
名車アル
コンセプト設計作り文句なく自分に合いしトヨタアルデオ
実用を考え抜いた車にはほかに見られぬオーラ漂う
ホンダカブ、トヨタカローラ、アクティとロングセラーで愛され続け
アルデオは名実ともに不人気車誰にも知られぬ隠れた名車
一言で語りつくせぬ魅力持つアルデオ俺の分身となる
ホンダアクティ
レース車はミッドシップでフルタイムアクティ同じ構造なりし
軽トラといえどエンジン気持ちよく小さいながらホンダの出なり
不思議にもカブとアクティよく似てる丈夫で長持ち日本を支え
安全で快適走行アクティは通勤できる貴重な軽トラ
夏の越前海岸
夏の日の越前海岸リゾートよ気温もビーチもハワイのごとし
高速で気軽に来れる関西圏お盆の休暇を福井で過ごす
家族連れテント持ち込みタープ張り海辺の空き地キャンプで埋まる
若者はワゴンで乗りつけバーベキュー我が物顔で浜辺を使う
遊び終え焼けた体にかき氷浜茶屋利用もそれなりに良し
イカ焼きにラムネを飲んだ浜茶屋は海水浴の記憶そのもの
砂浜に軒を連ねた浜茶屋も時代に合わず数が減りゆく
海澄みて男も女も潜りたり分厚き服にボンベ背負いて
賑わいが通年あればと願いたり福井が誇る国定公園
初歩き
大股で踏み出した足動かせぬしばらくかかる初歩きかな
聡一がヨイヨイヨイの掛け声で調子に乗って一歩踏み出す
聡一の恐る恐るの初歩き腕を構えて視線変えずに
親戚の子供の姿に刺激うけ帰ったその日に歩き出す孫
夕飯は鯛の刺身を買うべきか冗談も出る初歩きかな
今年のお盆
甥二人顔も姿もよく似ててじっと見なけりゃ区別がつかぬ
墓参り久しぶりなる弟に近所のおばさん懐かしがりし
ちょっと前歩き始めたうちの孫客多すぎて歩く間がない
お刺身にお寿司が並ぶテーブルで客に注ぎし第三ビール
宴進み大きくなりし甥姪の進学ばなしで盛り上がりたり
高校の話が出るのはこの日だけ卒業名簿が同じ兄妹
縁側の窓開け放しごろ寝する実家の暑さも思い出のうち
世話したる母もいつしか年老いて布団敷くのもセルフとなりし
老父が作りしスイカ腹かかえ嫁ぎ先へと帰り行きたり
盆終えて庭で静かにビール飲む稲刈り近い田んぼ眺めて
折りたたみ机
ワンタッチ脚を畳める木の机中学校の工作の品
キャンプする椅子も机も手になじみ車替われど相棒変わらず
アルデオの床下収まる椅子机まだまだ入るコンロ鍋まで
ハッチ開け椅子とテーブルセットするコンロ出るまで5秒かからず
アルデオと椅子にテーブル名コンビあっという間に10年が過ぎ
傷つきし天板換えてリニューアル新同気分でビールもうまし
同型でスケールアップを手作りし盆正月のテーブルになり
一乗滝
小次郎の像も流さる豪雨にて滝の姿も一変したり
滝口のうっそうとした木立消え神秘に欠ける滝つぼを見る
昔より滝の涼しさ変わりなく暑き日なれば人が寄りたり
夏なれば小次郎の里賑わいし滝の恵みのニジマス釣りて
泰澄が開き伝わる古き滝時代の波に振り回される
稲刈り
突然の水温ブザーの原因はネズミがかじったラジエタホース
猛暑日の稲刈り暑くて苦労するエンジン日差しで三重奏なり
あまりにも暑き稲刈り耐えかねてコンバイン乗りうちわを使う
午後からの息子の応援ありがたし見る見るうちに袋がたまる
モミを積む軽トラ並ぶカントリー知り合いの顔を窓越しに見る
混むときは4時間かかるカントリーこの時ばかりはエアコンがいる
土曜日の4往復は奇跡なりコシヒカリなら絶対ありえず
助手席のジャグに入れたる氷水火照った身体を内から冷やす
旧式の袋積めするコンバイン年式見れば昭和の生まれ
八十を過ぎても元気我が父も午後は日陰で茶を飲んでいる
久方ぶりのカブ
夏の日に久方ぶりに風欲しく納屋に眠りしカブを引き出す
ほこり取りクモの巣払いて空気入れ祈る気持ちでキック踏み込む
空キック3回してから本キック必ずかかるカブのエンジン
暑きゆえ短パン半そでサンダルで山あい走れば気持ち爽快
屋根なくて窓枠もないバイクにてパノラマ景色を地で味わいし
エアコンのクルマばかりの毎日でバイクの良さを忘れていたり
コメリにてホンダのオイル買い求む今日こそ換えると心に決めて
夕陽浴び熱きオイルと格闘すしたたり落ちる汗も拭かずに
牛乳のパックに入れてゴミに出す廃油の処理も時代に合わす
松島水族館
1歳の孫のためにと水族館息子夫婦に妻みな連れて
真ん中にチャイルドシート居座りてサードシートに妻と入りこむ
県外のナンバー並ぶ水族館ミニバン多く駐車気遣う
夏休み子供で賑わう水族館夏の名残りをイルカと過ごす
サボテンに囲まれ過ごすペンギンが夏の日差しを楽しんでいる
空に映え青一色のイルカ槽海とつながりハワイを思わす
本館の暗く冷たき水槽に深き海住む魚うごめく
父親の腕から離れぬ孫の目は動く魚に興味しんしん
ジャンプするイルカが飛ばす水しぶき孫にかかるとタオルを当てる
朝決めて皆で出かけた日曜日夏の一日いい日となりし
最近の孫2
二日間親と過ごした幼な孫月曜の夜は母に甘えし
園終えて帰りし孫を肩に抱く安心してか肩かじりつき
大股もいつしか消えた聡一がヨチヨチヨチと自然に歩く
帰宅してせんべいかじりコップ乳すること既に大人と同じ
襟首を洗濯ばさみで摘み上げて下着で遊ぶ聡一朗よ
朝夕にサザエさんを聞かされる子守り代わりのキーボードにて
老老介護
早く来い仕事のない日夢に見る定年までの3年長し
親背負いここまで来たが疲れ出る自分の体にガタも出始め
60に親は未だに意見する同じことばかり聞きたくもなし
これからの介護思えば気が重しいずれ我が家も老老介護
いい加減飽いてきたよと愚痴も出る核家族とやらをやってみたいよ
レジアス魅力
高額のセット組み込むレジアスの音が魅力でCDを聞く
オーディオは数年経てば故障する10年経てもレジ物現役
しっかりと手応えのある操作感中身は知らぬが信頼感ある
赤カペラ買うとき迷いしワンボックスときが熟していま手に入る
十一年経ても程度は新同で中古で買うなら最高のバン
ミニバンはスペースだけが取り得なり手前で改装したいが故に
ミニ棚や調理の台を自作するひと冬かけてキャンプ仕様に
初めての四輪駆動の車なり雨でも雪でもバリバリ走る
高速の横風気になるレク車レジの四駆は影響受けず
ビスカスのカップリングは素晴らしく路面に応じて駆動が替わる
悪路とてスイッチなくて切り替わる燃費以外は理想の駆動
偶然に自在の四駆手に入れるしばらく使うも経験になる
バックして近づきすぎると音が鳴るミラーと合わせて後退万全
スライドのドア半締め気にならぬ隙間あっても自動で閉まる
ハイルーフなくても感じる開放感朝日も差し込むサンルーフあり
自動にてオンオフできるライトもつトヨタならでは安心装備
スポイラー付いてるレジは伊達じゃない走行風で泥はね防ぐ
フロントのガラス上部の青シート紫外線から我が目を守る
第4章 夏の島根
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