クワィ=ゴンとオビ=ワンにしてやれるのは、周囲に生気の通った一筋縄ではいかないキャラクターを配し、二人がそれらの人物と関わっていく、それが一番だと思います。
スコラスティックの、それは才気煥発な編集者デビッド・レヴィタン はザナトスの物語における大きな功績を認めています。シリーズには数巻に渡って出没してストーリー上で成長していく悪役が必要だと彼は考えました。物語の構成上不可欠だというのです。彼は更に一歩進めてクワィ=ゴンは一度手ひどい失敗をしているだけに新しいパダワンを受け入れるためには内心の葛藤が必要だったという案を持ち出しました。これを聞いて直ちに私の頭に、クワィ=ゴンが苦悩する多くのきっかけのヒントが浮かんできました。この内心の苦渋がまたいっそうクワィ=ゴンのキャラクターに深みを与えたのです。
ザナトスはこのようなコンセプトから生まれました。
バントはDave Wolverton(#1の作者)によって最初の本で作られたキャラクターです。#7
The Captive Temple で再び舞台がジェダイ聖堂に戻って来た時、私はデーヴの最初の聖堂について書かれた章を読み返し(それは本当にすばらしかったです)バントに再登場してもらってもっと重要な役を与える事にしました。オビ=ワンが年下の女の友達を持つというアイディアは結構気に入っています。バントはもの柔らかで内省的性格で、オビ=ワンはいつもバントを守る方に回っていたのですが、ここで彼はバントの真の強さを再認識することになります。庇護しなければと思っていた相手が実は強さを秘めている存在だった、これはどんな男の子にとっても学ぶべき大切なことだと思います。
タールについてですが、はじめは#5
The Defenders of the Deadで救助を待つジェダイとしてストーリー上必要とされるだけの端役でした。私は彼女がどんな人物かあまり深く構成しませんでした。しかしどの作家にもこういう経験があるでしょうが、新しいキャラクターが登場して、そのまま自己成長してくれるのはまさに作家冥利に尽きる楽しい出来事です。クワィ=ゴンが独房のドアを開いてタールを救出したときタールから軽口が飛び出します。それ以来止まるところ知らずです。タールはこの悲劇的な出来事で視力を失いますが、それが却って彼女を内省的に深化させます、しかし同時に時として気難しくなる傾向も出てきました。クワィ=ゴンが、仲間を持ちその人物の言葉に耳を傾け、忠告を聞くような設定を面白いと思いました。そこで彼女にはできる限りクワィ=ゴンと違った性格を与えるようにしました。慎重な人間は往々にして外向的で頭が回る口達者な人物をよき友人とするものです。この設定によって、タールはクワィ=ゴンをよくからかいますが私自身、これがとても気に入っています。
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