Jude Watson's novels |
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Star Wars──
#2 The Dark Rival (闇のライバル) #3 The Hidden Past (隠された過去) #4 The Mark of the Crown (王家の印) #5 The Defenders of the Dead (死者の擁護者) 惑星メリダ/ダーンは終わることない内戦に疲弊していた。
#6 The Uncertain Path (不確かな道) ジェダイ・オーダーを離れたオビ=ワンはニールド、セラスィらと共に新しいメリダ/ダーンを築くために奔走する。しかし「証の殿堂」の即時破壊を訴えるニールドとセラスィ達の間に対立が深まっていく。ヤングの意見が真っ向から対立してオビ=ワンは「よそ者」とののしられ行き場を失う。
#7 The Captive Temple (囚われの聖堂) メリダ/ダーンからクワィ=ゴンとオビ=ワンを呼び戻したのは、ヨーダ暗殺未遂の知らせだった。
#8 the Day of Reckoning (運命の日) 今は仇敵となった元パダワン、ザナトスを追って、クワィ=ゴンとオビ=ワンはザナトスの母星、テロス向かう。しかしザナトスは二人を迎える罠を仕掛けていた。 #9 the Fight for Truth (真実を賭けた闘い) そこへ指令が下った。行き先は辺境の惑星ケーガン。長年星外からの渡航を拒んできた孤立した惑星である。そこの若い夫婦が子供がフォースに感応する力があるのではないかと接触を持ってきたためだ。しかし派遣されたのはクワィ=ガンとオビ=ワンだけではなかった。もう一組、アディ=ガリアとシーリも同行するのだ。 ケーガンは一見平和な自己充足的な世界に見えた。しかし何かがおかしい。何かが欠けている。 クワィ=ゴンの指示で一行から離れたオビ=ワンとシーリーは強制的に学校へ送られてしまう。そこでは全く真実とはかけ離れた内容の教育が行われていた。二人は学校を脱出すべく行動を開始する、しかし誤謬を信じ込まされている同世代の若者達に真実に目を開かせなくてはいけない、その思いが二人をとらえた。 ケーガンを支配する2人の指導者はクワィ=ガンに銀河共和国の将来にかかる黒雲の予見を語る。そこには黒いマスクを被った邪悪な影も。 余韻を残すラストシーンもSWのエピソードとつながる印象的な一作。
#11 the Deadly Hunter (恐るべき暗殺者) #12 the Evil Experiment (悪魔の実験) #13 the Dangerous Recue (決死の救出) #14 the Ties That Bind (結び合う絆) #15 the Death of Hope (死地の希望) #16 the Call to Vengeance (復讐の叫び) #17 the Only Witness (唯一の目撃者)
# 1 the Way of the Apprentice (アプレンティスの道) 邦題 「冒険のはじまり」 Ep.1の数年後。 14才になったアナキン・スカイウォーカーはジェダイ聖堂で他のアプレンティスたちと共にジェダイ・ナイトとなるべく、訓練に明け暮れていた。 技量とフォースの強さで頭角を現していたが、人の心に関してはまだまだ未熟だった。厳しくそして優しい目でアナキンの成長を見守るオビ=ワンは、押しも押されもせぬナイトとなって銀河の平和の守護者としてのつとめを果たしていた。 聖堂をこっそり抜け出たアナキンはコルサントの地下深く廃品置き場で部品を巡って小競り合いをする。相手は同じパダワンの仲間、トゥルーだった。孤独だったアナキンに始めて出来た友だちだった。 翌日、アナキンとオビ=ワンは新しいミッションを評議会から下される。 猛毒が広がった惑星の生存者の避難活動の支援だった。ミッションの大きさから4チームのマスター=パダワンが派遣されることになった。アナキン−オビ=ワン、トゥルー-ライ=ゴール、ダラ-ソアラ、そしてフェラス-シーリだった。 惑星で汚染地域に入ったマスターたちと別行動を取らなければならなくなったパダワンたち。最初こそ自信たっぷりだったが、ドロイドとの戦闘、略奪者の陰謀が明らかになるにつれて自分たちの非力さを感じる。それと共に暴走しがちなアナキンと慎重なフェラスとの間に、静かに確執が生まれてくる。 汚染地域のオビ=ワンはアナキンに連絡がつかないので心配する。しかし、同じ星系の惑星から救援船の提供を受けて、その裏に陰謀を感じる。これは侵略ではないのか。 救援船に積まれていたのは、果たしてバトル・ドロイドだった。急ぎパダワンの元へと戻るマスターたちをMTTが待ちかまえている。渓谷に追い込まれたマスターたち、アナキン、フェラスは陰謀を見破ってマスターたちの危機を救うことができるだろうか。 若き悩み多きマスター、オビ=ワンと、無鉄砲ながら故郷を恋しがる純真さを持つアナキンの師弟篇、第一作。 # 2 the Trail of the Jedi (ジェダイの道) 邦題 「師弟のきずな」 オビ=ワンとアナキンはラグーン6へ向かっていた。今回の目的はマスター=パダワンの紐帯を強めるための訓練であった。 オビ=ワンは回想する。クワィ=ガンとともにこの惑星を訪れた時の事を。オビ=ワンには不安があった。優秀なパダワンであるアナキンに対して、自分はクワィ=ガンと同様な優秀なマスターたりうるのか? アナキンには不満があった。いつも思ったことをすぐに口に出す自分と違って、マスターは考えていることを言ってくれない。自分はオビ=ワンに選ばれたのではないからだ……。 美しい自然に恵まれたラグーン6での訓練は、先に出発するジェダイを追いかけ、いかに短時間で発見するかという追跡ゲームだった。しかし、手がかりを追って行くにつれて、獰猛な原生動物の巣に誘導されたり、水が流れ込むと水没する地下洞窟へ入ったり、何かがおかしい。 はやくから気づいていたオビ=ワンであるが、アナキンに主導権を持たせて彼の対処を見ようと考えている。追跡途中で同じ星系からやって来た女子学生に出会う。バウンティハンターに仲間を殺され船を焼かれたと言うが、辻褄のあわないところもある。 真相は、マスター=パダワンのチームを標的にバウンティハンターが6人、この星に入っていたのである。雇い主はグランタ・オメガ、その正体は不明である。 次々に攻撃を仕掛けてくるバウンティハンターたちを一人ずつ撃退しながら、アナキンとオビ=ワンは真相に迫る。 果たして、グランタ・オメガとは何者か。なぜオビ=ワンオビ=ワン達を標的とするのか。また危機にありながらお互いを信頼しきれるマスター=パダワンの絆を二人は強めることができるのか? # 3 the Dangerous Game (危険なゲーム) 邦題 危険なゲーム 七年に一度、銀河中から観客が集まるギャラクティック・ゲームが惑星ユーセロンで開かれる。大会の円滑な運営を監督するために要請を受けて、アナキンとオビ=ワン、シーリとフェラス、ライ=ゴールとトゥルーの3チームが派遣される。 ポッド・レースも開催される予定だが、アナキンは以前の知り合いが仇敵セブルバの奴隷になっていることを知る。彼らが勝てば解放されると聞き力になりたいと思う。 オビ=ワンも昔馴染みのディディと出会い彼がレースにからんだ賭博に入れ込んでいることを知る。 しかし、彼らの個人的な関わりとは別にこのレースにはもっと大きな陰謀が仕組まれていた。 成り行きでレースに出場しなければならなくなったアナキン、対戦相手の最有力候補はセブルバの息子 アナキンはレースに勝てるのか? レースは無事に終わるのか? オビ=ワンも敵の罠にかかって障害レースでチャンピオンと一騎打ちをしなければならないはめに陥る。 ポッドレースは始まった。誰のレーサーが暴走するのか? 不正の大本は誰か? 正義は陰謀を暴けるのか? # 4 the Master of Disguise ( 変装の達人 ) 邦題 ダークサイドの誘惑 内戦の続く星ハリデンへ調査に行った5人の科学者が戦闘に巻き込まれて帰ることができなくなった。 救出のために派遣されたオビ=ワンとアナキン、ソアラ・アンタナとダラの4人は、無事科学者を保護するが、戦闘の際にアナキンのとった軽率な行動で、ダラが負傷してしまう。 責任を感じるアナキンにソアラは特別にライトセーバーの技術を教えるが、アナキンはおのれの我を捨てきれない。 一方、ハリデンの攻撃のうらにグランタ・オメガの陰謀があったことを知ったオビ=ワンは独自にオメガの調査を開始するが、全く謎の人物だということしかわからない。 ハリデンで友だちになった科学者のティックと偶然再会したアナキンは、ティックがオメガの知り合いだと知って、ティックの誘いで他の友人達と会いに出かける。 ハリデンにオメガがいたのは、もうすぐ予測される火山の噴火によって地上に噴出するであろう希少鉱物の占有をねらってのことであると見抜いたオビ=ワンはジェダイアーカイブのジョカスタ・ヌーの助けを借りて、オメガの出生の地を訪れるが、そこでわかったのは、オメガの恵まれない少年時代のことだけだった。 貧困と母親の苦労という、アナキンとの共通項があるのに気づいたオビ=ワンは、闇黒面に敏感なアナキンがオメガに惹かれるのではないかという、漠然とした不安を感じる。 やがてオメガと遭遇したものの、またもや逃げられてしまう。二人はオメガを追って噴火の迫るハリデンを再訪する。 狡猾なオメガの罠にはまって噴火の前に船に閉じこめられてしまう二人は脱出できるのか? オメガの銀河全体に影響を及ぼす陰謀を未然に阻止できるのだろうか? そして、オメガの真の正体は? #5 the School of Fear (恐怖の学校) 邦題 指導者学校の秘密 有力元老院議員の息子が就学中の学園から誘拐された。星間紛争で優位に立つための人質として使われる恐れが大いにある。行方を捜索するには学園自体に秘められ謎を解き明かさなければならない。生徒と同年輩のアナキンとフェラスはジェダイであることを隠して学園に転入する。 フェラスは授業システムに侵入した生徒と近づき、アナキンには秘密クラブを組織する女生徒が接近してくる。誘拐された生徒はまだ学園内にいると推測した二人は、それぞれに探索を続ける。 アナキンが仲間に入ったスクワッド(部隊)は、一種の傭兵部隊だった。紛争地をファイターで飛ぶ挑発行為を任されたアナキンはそのまま潜入捜査を続けるかどうか悩む。 その時フェラスが失踪した。誘拐された生徒と同じように忽然と消えたのだ。正体がばれるのを覚悟でオビ=ワン連絡するか、それともこのまま出撃して一度に全ての謎を解くチャンスに賭けるか……アナキンの選択は? 事件は意外な解決を見るが、オビ=ワンはフォースとの素晴らしい結びつきを見せたアナキンを手放しで褒めることはできない。 アナキンの中に反抗と独善的な論理に対する固執を嗅ぎ取ったオビ=ワンは、彼の将来に、形容のしがたい不安を感じ始めるのだった。 オビ=ワンとシーリが生徒の親である夫婦を装って学園を訪問する。二人のとんちんかんな教師とのやりとりが、いつになくコミカルな部分を作っている。思わずにやりとしてしまう。 #6 the Shadow Trap (影の罠) 邦題 シャドードラップ 任務から戻って聖堂にいるアナキンは所在なくて仕方がない。 指導者学校での独断的な行動を厳しく叱責されて以来オビ=ワンとの間もぎくしゃくしている。修行にも身が入らず、湖で泳ぐのが日課になっているアナキンだった。そんなアナキンを突如幻視が襲う。それは断片的だったが、アナキンにはタトゥイーンの奴隷と母の解放を意味しているように思えた。しかし「下にいる者」という謎の言葉のイメージも強烈だった。 早速オビ=ワンとヨーダに相談するが、ふたりの解釈はアナキンとは異なっていた。しかも「地下にいる者」とはマスター・ヤドルのことだった。折しもマスター・ヤドルは高度に政治的折衝の必要な任務に就くところだった。アナキンの幻視との関連性を重視して、オビ=ワンとアナキンはマスター・ヤドルと共に惑星マワンに赴くことになった。 マワンは内戦が終結したあと、統一政府が作られず、星外から流れ込んできた犯罪者ボスがつくるいくつかの大きな組織が互いに牽制し合いながら勢力争いをしていた。 組織間の抗争に巻き込まれたアナキンはボスの最有力者、ストライカーに捕まってしまう。謎のボス、ストライカーはアナキンの身柄と交換にマスター・ヤドルが交渉の席につくことを要求する。ストライカーの本当狙いはマスター・ヤドルの命だった。 惑星上の多くの人々の命を一瞬で奪う猛毒を含んだ容器が大気圏内に打ち上げられた。瞬時にアナキンを解放しながら、マスター・ヤドルは爆弾を追って上空へ飛んだ。ヤドルの運命は? そして一部始終を目撃したアナキンは衝撃を受ける。 遂にヨーダ自身が乗り出してきた。オビ=ワンとアナキンはストライカーを追い詰めるが、そこでストライカーの正体が明らかになる。オビ=ワンとは、それこそクワイ=ガン以来の因縁があったこともストライカーの口から明かされる。 ストライカーは逃げた。アナキンは罪悪感に打ちひしがれていた。自分の慢心が行動に繋がり、それが悲劇を招いたからだ。どうしてマスターは、おまえの責任だと言ってくれないんだ? アナキンの心は千々に乱れる。オビ=ワンとアナキンの間にできた亀裂は以前にも増して大きく、深い傷となっていた。 #7 the Moment of Truth (真実の瞬間) 師弟関係の溝を埋められないままにオビ=ワンとアナキンは惑星タイファ=ドアへ向かう。その星系の惑星ヴェインコアから侵略を受ける瀬戸際にあった。 衛星上にある監視基地に取り残された隊員を救助に向かったふたりだったが、ヴェインコアの偵察船に宇宙船を破壊され、極寒の衛星を基地めざして徒歩で進む。 基地は自滅寸前だった。隊員の中に紛れ込でいたスパイによって隊員が殺され、脱出用の船も破壊された。だが、ヴェインコアの侵略の情報を記録したディスクを早急にタイファ=ドアへ持ち帰らなければならない。 アナキンの努力で飛べるようになった船で衛星を脱出するが、待ちかまえていたヴェインコア船に迎撃されやむなくヴェインコア星に不時着する。隊員達を守ってアナキンは捕虜になってしまう。一人残ったオビ=ワンは救出作戦を練る。 アナキンたちが連行された収容所には秘密の研究所があった。そこへ連れて行かれた捕虜は戻ってこないのだ。 研究所で麻酔ガスを嗅がされる前に抵抗したアナキンは女性科学者の興味をひく。それは以前にクワイ=ガン・ジンを捕らえてフォースの正体を探ろうとしたジェナ・ザン・アーバルだった。彼女の発明した「自我抑制ゾーン」のせいで、アナキンは経験したことのない平安な気持ちを持つようになる。しかし、ジェダイとしての責任感も差し迫った任務も全て忘れようとしていた。 一方、断崖に囲また収容所へ潜入するためには空から入るしかないと判断したオビ=ワンは危険きわまりない方法をとって潜入に成功する。アナキンを探し出したオビ=ワンだったが、アナキンの変わりように驚く。 脱出には成功するが、追っ手のために二人は分断され、オビ=ワンはガンダークの巣のある地下へ墜落する。半ば意識が眠っているアナキンは大軍を一人で相手にしなければならない。ともに絶対的な危機に陥った。 なぜアナキンは邪悪な実験でもたらされた平安をあれほど喜んだのか? エピソード2の最初にも述べられる「ガンダークの巣」脱出の真相は? そしてアナキンを悩ましてきた苦痛とは? 師弟関係が修復不可能なほど悪化する前にオビ=ワンはアナキンに助けの手を差し伸べることができるのだろうか。終盤のアナキンの告白が痛々しい。 #8 the Change of the Guard (クーデターの真相) ジャナ・ザン・アーバルを追跡するオビ=ワンとアナキンは、彼女がローミンという惑星に逃げ込んだことを知る。 ローミンは独裁者テーダが支配する惑星で、テーダは銀河中の指名手配の犯罪者をかばう代わりに高額の賄賂金をとって私腹をこやしていた。防壁に囲まれた贅沢な王宮の外には、虐待され搾取された一般の人々がいる。彼らの不満はつのり、反乱の起こる予兆がある。 ローミンに正攻法では入国できないオビ=ワンは一計を講じる。彼ら自身が犯罪者になりすますのだ。 オビ=ワン、アナキン、シーリ、フェラスの四人は脱獄した詐欺師一団となってローミンに赴く。例によって、この捜査方法にフェラスは異を唱えるが、結局従うことになった。 変装してとんだ、ど派手な衣装を着たオビ=ワン、露出度満点のひらひらしたドレスを着るシーリ。 テーダの書斎からザン・アーバルがグランタ・オメガと関係があることを探り出して、この任務は一転して重大な意味をもつようになる。 街の中の探索に出かけたアナキンとフェラスは尾行者をまくために息の合った行動をして、わだかまりが軽くなったような気がする。しかし、その直後二人を襲ったのはローミンの反政府抵抗勢力だった。 彼らはクーデターを計画しており、アナキンたちに政府セキュリティをコントロールしているコードを盗み出すよう依頼してくる。ザン・アーバルの身柄確保と引き替えにオビ=ワンは申し出を受ける。決行はオビ=ワンたちの歓迎会の夜ときまった。 その前夜、眠れず庭に出たオビ=ワンは、やはり一人夜空を見ていたフェラスと言葉を交わす。フェラスの優等生振りを煙たく思っていたオビ=ワンだが、フェラスがフォースとの自然な強い繋がりを持つことを知り、しかもフェラスがアナキンについて自分と懸念を抱いていることに気づく。フェラスは歳に似合わず深く物を考えることのできる少年だった。オビ=ワンは自分とフェラスが似ていることに思いあたる。そしてアナキンはむしろシーリに似ているとも思うのだった。 オビ=ワンの盗んだコードが功を奏してクーデターは成功したかに見えた。 しかし、ザン・アーバルとテーダは逃亡した。思わぬ結果に焦燥をかくせないオビ=ワン。そこへ、まだオビ=ワンを犯罪者と思い込んでいるテーダから連絡がある。 テーダの隠れ家へ赴いたオビ=ワンたちだったが、運悪く本物が現れて正体がばれてしまう。ザン・アーバルも変装したアナキンを見破る。オメガの情報を得るために降伏したオビ=ワンたちが連行された収容所には多くの反政府運動をした囚人がいた。 囚人たちと脱出を図るが、収容所はテーダの軍隊に囲まれてしまった。自由のために戦う囚人が周囲で死んでいくのを見て、アナキンは、これが革命かと疑問に思わざるをえない。 もうこれまでかと思われたときに現れたのがメイス・ウィンドゥたちの援軍だった。こうして軍隊を鎮圧してテーダを捕らえたものの、このクーデターには思わぬ虚偽が隠されていた。 ザン・アーバルとオメガの大きな計画とは? 果たしてオビ=ワンとアナキンはオメガを追い詰めることができるのだろうか。 アナキンの本性を見抜いていたようなフェラス、彼の運命はどうなるのだろうか。 深刻な後半とは対照的に、前半には思わず吹き出すようなオビ=ワンとシーリの変装、シーリが色仕掛けでガードマンをたぶらかすところなど、いつになくコミカルなところもあり、大変楽しめる巻となっているのも見所の一つ。 #9 The False Peace (偽りの平和) オメガとザン・アーバーを追って、惑星ファリーンへとオビ=ワン、アナキン、シーリ、フェラスは到着する。〈自己抑制ゾーン〉の実験をしているとおぼしき工場へ潜入するが、危うく崩壊する工場ごと生き埋めになってしまうところだった。 メイス・ウィンドゥからコルサントに呼び戻されたオビ=ワンたちに、メイスは元老院で反ジェダイ派が活発化したことを聞く。すべてのジェダイ任務から元老院の承認を取り消す動議が、ボッグ・ディヴィニアンによって採決にされることになった。この裏にはサノ・ソウロがいた。 調査をつづけるうちに、オメガたちが基金を狙っていることがわかるが、実はそれは陽動作戦に過ぎなかった。本当の狙いは元老院だった。〈ゾーン〉を送風管から散布して本会議場を麻痺させ、その間にシーカードロイドに議長を暗殺する計画だった。 議長のそばで警護するようにオビ=ワンに命じられたアナキンだったが、フェラスがやってくるに及んで、議長警護をフェラスに任せてオビ=ワンの元へ走る。それが誤算だった。送風管の迷路の中に囚われてしまったオビ=ワンとアナキン、そのときにはもう本会議場での大虐殺が始まっていた。それを防ぐのはフェラス一人。 アナキンとオビ=ワンは間に合うのか? オビ=ワンの元老院での友人、タイロ・カレイディアンが相変わらずのユニークさを見せる。ボッグ・ディヴィニアンとベイル・オーガナの舌戦も見物である。この頃からアナキンはパルパティーンに目をかけられ出したという、エピソードにも繋がる伏線も多い。 最後に犠牲になるのは誰か。オビ=ワンの心からの悲痛な叫びが耳に残る。 シリーズでも一、二を競う、よく練られたストーリー展開。最終章へと続く波乱の一巻。 #10 The Final Showdown (最後の対決) アナキンは一番の友人トゥルーのライトセーバーを調整していた。ふたりはずっと仲のよい友だちで、任務を何度かともにしたこともある。 少し前に元老院で起きた議長暗殺未遂事件の裏にオメガとザン・アーバーがいることを察知したジェダイ評議会は、二人が潜伏する惑星を突き止めた。そこは、コリバン──はるかな昔にシスが支配していた星で、シス僧院の廃墟、暗黒卿の谷と呼ばれる墓所からはいまもなお、フォースの暗黒面の力が放たれている。 コリバンに向かうのはオビ=ワとアナキン、シーリとフェラス、ライ=ゴールとトゥルー、ソアラとダラ・テル=タニスの4チームだった。 指令を受けたアナキンは、さらに驚愕した。不穏な銀河情勢に対処するために、手薄になっているジェダイを増強するために、パダワンをナイトに昇格させる時期を早めようという計画があるのだ。しかもそのテストケースに選ばれたのは、アナキンではなくフェラスだった。愕然とするアナキン、その心の中には妬みと怒りが渦巻く。 コリバンを外から見ただけでジェダイたちは心の底からおぞましさと脅威を感じた。そこには統一政府もなく、コマース・ギルドのような商業団体が出張所を設けているだけだ。オメガたちの情報を得るために町に出た一行だったが、アナキンとフェラスが情報を得るために近づいたブラック・マーケットの泥棒といっしょにコマース・ギルドの私設軍隊に追われて、シス僧院へ逃げ込むことになる。 僧院でギルドのドロイドと死闘を尽くしたジェダイだったが、戦闘中にトゥルーが負傷、ライトセーバーが壊れてしまう。 アナキンは人影を見て、トゥルーを気遣いながらも後を追う。それはシスだった。まったく歯が立たず危機に陥るアナキンを間一髪で助けたのがオビ=ワンだった。 トゥルーに話をしたいアナキンだったが、トゥルーが壊れたライトセーバーの修理をフェラスに頼んでいる現場を目撃してしまう。 なぜ自分のところへ持ってこないのか。アナキンはトゥルーの心が自分から離れていくのを感じる。そして、アナキンが調整した箇所とフェラスが直した箇所が齟齬を来さないように再調整が必要なのに、それをトゥルーにいわないまま去っていく。 オメガとアーバーが逃げた先は暗黒卿の谷だった。空中戦をくぐり抜けて暗黒卿の谷に到着するが、そこに待ち受けるのは、伝説の墓を守る獣、同じく墓を守ゾンビ、そしてオメガだった。 墓所ではもう一つの攻撃が待っていた。執拗に心の中の一番痛みを感じる思い出が幻影になって現れるのだ。オビ=ワンにとっては死に瀕したクワイ=ガンが。アナキンにとっては母のシミが。 声は執拗にアナキンに暗黒面に加われとささやき続ける。 オメガが現れる。高性能の連射ブラスターをもって立ちはだかる。そのとき恐れていた事態が起きた。戦闘中にトゥルーのライトセーバーの出力がダウンしたのだ。しかもそのライトセーバーを手にしていたのはフェラスだった。フェラス危うし。 思わぬ悲劇、オメガとの対決、そしてジェダイは戦いには勝ったが、余りにも失った物が多すぎた。ある者は生きる道を途中で諦め、ある者は友人を永遠に失った。そしてあとに残ったのは喪失感と疑惑。 アナキンは思う。大切なものをたくさん失った。喪失と闘うことはできない。思い出は深く心の中に沈めて封印するのだ。そして、僕はもっともっと強くなる。シスを倒せるほどに強くなる。そして、ある日ぼくはマスターを追い越すのだ。 それはきっと想像もできないほど悲しいことかもしれない。だが、ぼくは進み続けなければならない。心が痛むなら心を捨てよう。 そして最強のジェダイになるのだ。 シリーズ最終巻に相応しい大きな転換点を描いている。アナキンが暗黒面にさらに惹かれていく様子が詳細に物語られ、オビ=ワンがオメガとの確執を晴らす巻でもある。 やりきれないような最後の数頁は原文でも大いに読み応えがあり、映画エピソード2への橋渡しをしている。
# 1 the Desparate Mission (瀬戸際のミッション) 邦題 「危険なミッション」 以下順次掲載します 作者のジュード・ワトスンがJAに関するインタビューに応えたインサイダー発言も採録してあります。 こちら をどうぞ。 |
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