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ちょっと真面目な太鼓持ち論

(1)日本の伝統文化と芸者さんの世界

 

 


 

 

 主な日本の伝統文化と申しますと、お茶・生け花・お着物(日本の伝統的和服)・歌舞伎・能・芸者を外国の方達は思い浮かべられるようです。

 日本からの伝統文化として紹介されているお茶・生け花・お着物などは日本のご家庭に呼ばれますと、拝見したり体験する機会もございますし、歌舞伎・能なども舞台を鑑賞する機会も有りますから外国の方が日本に来られて見たり体験したいと思われれば、それ程難しく無く触れる事が出来ますが、宴席で舞いやお三味線や唄を披露し、お客様とのお話やお酒のお酌などでお相手をなされる、お着物を着た芸者さんとなりますと少し大変です。

 芸者さんを正式には「芸妓(げいぎ)」さん、芸妓になる前の段階はまだ一人前では無いので、玉代(ぎょくだい/売上代の事を言い「花代(はなだい)」とも言います)が芸妓さんの半分(現在は同じ代金)だったので「半玉(はんぎょく)」さんと全国的には申しますが、京都では「芸妓」と同じ漢字を書いて「げいこ」さん、「半玉」を「舞妓(まいこ)」さんと呼び、舞妓さんのお着物は芸妓さんと少し違って袖も長く帯も長い「だらりの帯び」を着ておられまして、それぞれの地域の花街(かがい)(芸者達がお客様のお遊びのお相手をして飲食出来る地域)の「芸妓組合」に属しておられ、行き先の指示やお花代(売上代)を管理して頂いておりますので、俗に「検番(けんばん)」と申し、そこにお茶屋さんや料亭さんから芸者(*以下「げいぎ」も「げいこ」も本文ではこの呼び方に統一致します*)さん舞妓さんのご依頼が参ります。

 全て口約束でお座敷に参りますので、お約束事やお花代の支払いに信用が有り検番が許可したお店にしか原則として参りません、よって日本の古都(千年の都だった所)で文化の原点の土地「京都」ですと祇園甲部(ぎをんこうぶ)・祇園東(ぎをんひがし)・上七軒(かみしちけん)・先斗町(ぽんとちょう)・宮川町(みやがわちょう)の五つの花街のお茶屋さんや、有名な料亭(和風建築でお客様事に各お部屋でお食事が出来、お庭がお部屋から見えたり、ゆったりとした空間を専有出来る高級料理屋さん)やホテルから呼んで頂き宴席でお会いするのが基本ですから、他でお会い出来る機会は道ですれ違う以外はなかなか無いですから、お茶屋さんか料亭さんにまず入らないと芸者さんに逢ってお話する事は難しいでしょう。

 「お茶屋」さんとは、お遊びする為のお部屋を貸し、お遊びのお相手やサ-ビスを提供する業で、「おかあはん」と言われるお茶屋の女性経営者と女性達で運営されており、女性しか居ないお家にお客様が気軽にお部屋に揚がってお酒を頂き遊ばれる所ですから、おつまみ程度で料亭さんの様にお料理は出ません。
 もし食事も頂きたい時には「仕出屋(しだしや)」(お料理を造りますが、ご自分のお店は無く全部注文先に造ったお料理を運ぶお仕事)さんから取り寄せも致しますし、芸者さん舞妓さんを呼ぶ事も可能ですし、そのお茶屋さんから次のお店に行かれても全てのお代金はお茶屋さんの立て替え払いにする事も可能ですから、信用や支払い能力が必要ですし、そのお茶屋さんで見た他のお客様の事を話されたり、しきたりを無視されるお客様は揚げては頂けませんので、「一見さんお断り」になっております。

 よって、まずはそのお茶屋さんに揚がっておられる常連のお客様に連れて行ってもらうか、ご紹介をして頂くと初めてでも揚がる事が出来ますが、初めての人が何かそそうやお支払いをなされ無いと致しますと、お連れなされた旦那様やご紹介された人に責任が及ぶ事になっておりますから、あまり信用出来無い人は敬遠されてしまいます。

 人から信用されご紹介者が居られ、ある程度余裕が無いと芸者を入れての宴席遊びの機会は少ないのですが、芸者さんや舞妓さん達ともう少し簡単に知ったりお会いするには、テレビや雑誌などで各国から国賓や有名人が来られますと、京都祇園甲部のお茶屋さんで芸者さん舞妓さんの舞いやお遊びになられているお姿が報道されたり、本なども出版されておりますから、ある程度の知識は入りますし、京都以外にも日本全国には多少花街が残っておりまして芸者さんが居られますから、芸者さんが居られる地域の料亭さんなどでのご宴席などで拝見する機会もございますので、外国の方でもご同伴の皆様とご一緒にお座敷で芸者さんを拝見されたご経験の方達も中には居られると思います。

 

 



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