謎多き戦隊ショー( 2003.11.10 )
 あるおもちゃメーカーが、人気があると言われているヒーロー戦隊のショーを企画しました。基本的にこのイベントは関東や近畿での開催がメインなのですが、今回は静岡に遠征しての開催と相成りました。当然地元のおもちゃ屋は普通なら沸き立つはずです。「この戦隊ショーで話題を盛り上げてグッズ拡販に活かそう!」とばかりに、様々な志向を懲らしてグッズ拡販に頑張る・・・はずでした。

 ところがこの戦隊ショー、蓋を開けてみるとどうも様子が変です。確かに会場に人は大勢集まっています。ところがその集まった人達のほとんどがショーの参加者で、純粋にショーを見に来たお客さんがほとんどいなさそうです。(まあそもそも、会場に参加者以外のギャラリーが入れるスペースが無かったのではないかという噂もあるのですが。)しかも主催者側から「会場での物販は主催者が独占します。」とか言われ、結局のところ地元の販売店にはほとんど何のメリットも無さそうです。あまつさえ戦隊ショー当日に人が集まって地元の販売店にお客さんが来なければ、これではむしろ“営業妨害”とすら言われても仕方ない気すらします。そして福井のあるファンが調べてみたら、なんと「この戦隊ショーはグッズの売上には全く貢献してない。(ショーの動員は増えているのにグッズの販売はむしろ落ち込んでいる。)」というデータすら出てくる始末です。これでどこの世界に、その戦隊ショーの地元への誘致を喜ぶ販売店があるのでしょうか。

 実は現実のスーパー戦隊シリーズでは、これと全く逆の現象が起きています。本来肝心要であるはずのTV番組の視聴率はそれ程高くないのに、グッズ販売が好調なため番組は維持され続けているのです。言葉は良くないかも知れませんが、結局のところ“物が売れなければ商品や商売を維持するのは難しい”という事なのです。戦隊ショーの開催がそのグッズ拡販に貢献している、特に日本国内の販売店を潤わせているという明確な実績を積まない限り、今後戦隊ショーが縮小あるいは廃止されるのは避けられません。人が集まったから成功だ。動員を稼げたから安泰だ。そんな楽観論で済まされる時代はとうの昔に終わっているのです。

 ただ残念な事に、日本国内にはこの“イベントの質や成果”を厳しく吟味しようという気運はほとんど無いんですよね。ただ最近になって Magic では「ジュニア・トーナメントの表彰内容を充実させる」という動きがあって、一応WoCやHJはそれなりの危機感を持って動き始めてはいるようなのですが。




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