ミニ四駆・大人の事情( 2003.12.6 )
 という事で、エッセイでちょっと触れた“ミニ四駆・全国大会予選に纏わる裏事情”というお話を。(ただし、この話って果たして時効になっていて書いていい内容なのかどうか、私自身も良く分からなかったりするのですが。 (^^; )

 ミニ四駆全盛の頃、福井を始めとする北陸地方でもかなりの数のミニ四駆レーサーがミニ四駆を楽しんでいて、当然彼らのほとんどが全国大会への出場を夢見ていました。ただ予選を開催できる会場には収容人員の限界があって、言うまでもなく参加希望者はその何倍もの数いた訳です。で、表向きタミヤは“抽選”という形を取って公平に参加者を決めていたのですが、実はその裏にはちゃんとある仕掛けが用意されていました。

 実はその参加者決定には“販売店推薦枠”という物がちゃんと用意されていたのです。全国大会予選の申し込み用紙には確か“いつも通っているお店”を書かせたはずなのですが、タミヤ側でそのエントリー用紙を(用紙に書かれた)お店毎に分けて各店の担当者に渡します。すると担当者はその中から「この子はよい常連さんだ。」「この子はミニ四駆頑張ってるから是非参加させたい。」という人を選び、その人達は無条件に当選になるのです。そしてその推薦枠から溢れた子供達を再度抽選して最終的な参加者を決める。まあ言ってしまうとそういう仕組みなんです。ただしこの仕組みはいわば“暗黙の了解”になっていて、それ故分かっている子供はちゃんと特定のお店に通う事で、一種のネゴシエーションを取っていたのです。

 で、ちょっと思うんですけど、実は Magic 辺りもこういうシステムを導入しておけば、それこそ認定トーナメント推進が並行輸入カードの売上を伸ばすだけの結果に終わるなんて事態は避けられたんじゃないかと思うんですよ。極端な話「うちでカードを買わない人は、うちで開く大会には出させません。」で良かった気はしますよ。ところがDCI認定トーナメントが中途半端に公平性を主張するものだから、結果として安い並行輸入カードで資産を肥やし、ネットで情報を得て武装したデュエリストが(お店で高めのパックを買って個人で頑張っている)お店の常連を駆逐して賞品をごっそり頂いていく。そういう結果を招いちゃった訳です。これじゃあお店の常連は面白くないでしょうし、結果として彼らのネット(通販)利用を促進する事にしかならないのです。(ただHJはHJで、認定トーナメントではない一般の大会の告知なんかにはほとんど協力しちゃくれなかったですが。)

 多くの販売店が開催する認定トーナメントがお客さんへのサービスの一環である以上、その店でカードを買わない“お客さんでない人”にまでその門戸を開く必要はない。こんなの販売の世界では(正当性があるか否かは別にして)当たり前に主張されるべき意見なんです。ところがそういう常識すら Magic の世界では通じなかった。だから多くの販売店が通販ショップの顧客へのサービス(要するにただ働き)に疲れて Magic から撤退した。 (^^; 話は簡単でしょう。やっぱりもうちょっと日本の Magic は、あらゆる意味で販売店に配慮したシステムを構築してから展開するべきだったでしょうね。これは価格設定にしてもその他のユーザーサポートにしてもそうですが。でもこの程度の事、それこそ日本語版第4版発売の時点で誰も予想できなかったのですかねえ。




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