大風呂敷の正しい広げ方( 2003.12.13 )
 日本の人気プロスポーツが苦しい局面を迎えています。プロ野球は某球団の“金に物を言わせた補強”に嫌気が差したファンからそっぽを向かれ始めていて、それに加えてトレードや契約更改時のトラブルなどで盛り上がりに水を差されています。Jリーグはワールドカップの盛り上がりを必ずしも維持できているとは言えず、TOTOの売上が最盛期の1/3にまで落ち込んでいるようです。しかも両者とも人気選手が次々と海外に流出しており、今は“選手が真の目的に達するための1つのステップ”という位置付けになってしまっています。ぶっちゃけた話全体がマイナーリーグ化しつつあるという感じでしょうか。

 前から書いてきた話なんですが、スポーツにしろゲームにしろ“頂”が高い方がいいんですよ。床に広げた大きな風呂敷の真ん中を持って上に引っ張り上げて山を作ると、高く持ち上げれば持ち上げるほど山全体の容積は増えるじゃないですか。それとこういう話って理屈はそんなに変わらないと思います。ただ山を高くするのと同時に風呂敷の広さを増す事をしないと、やがて風呂敷は山の高さに耐え切れなくなって床を離れ急激にしぼみます。また風呂敷をより高く持ち上げるのに必要な資金や人材なども、やっぱり風呂敷が広く大きくなければ集めにくいのです。

 少し前からのプロ野球の様子、特に某球団辺りのやり方って完全なファン無視じゃないですか。なんかオーナーの独裁というかオナニーを見せられてる感じで。しかも球団も選手も自身の環境や待遇の改善にしか目がいっていなくて、プロ野球からファンが離れているという事実に対する対策を誰も取ろうとしていないように見えます。でも私が知る限り、それこそ巨人V9時代を生きたプロ野球選手って自分に可能な限りの人気高揚策を実践していたし、そういう時代に身に付けたスター性みたいな物が未だに残っています。王さんしかり長嶋さんしかり、そして星野さんしかりです。そういう“華”がどうも最近の選手には見られないんですよ。まあ今やその華がある人は多くがメジャーリーグに挑戦して日本から居なくなっちゃった訳ですし。

 あ、ちなみに Magic 辺りの状況って、そもそも頂を作るために引っ張ってる風呂敷の位置が真ん中ではない。というか、かなり端に偏っているんですよ。だから一見するとある程度高い頂ができているように見えるんだけど、裏を見ると下にがっぽり穴が空いている訳です。 (^^; 競技の名の下にイベントを推進して世界を盛り上げようと思うのであれば、何よりもユーザーの大多数がそういう取り組みを支持して、堂々と風呂敷の真ん中を引っ張り上げられるような工夫もすべきなのです。でもそれができていないから風呂敷の端を持ち上げざるを得なくなって、結局風呂敷が足りなくなって大きく空いた穴からユーザーが逃げ出す。そうなった場合、本来は“一度風呂敷を降ろして持ち上げる位置を変える”事をすべきなんですけどね。ファンの相当数から支持されない競技、それはやっぱりやり方に問題があるという認識を推進側は持つべきだと私は思うのですが。

 ・・・と、実はここまでは11日の夜辺りに書いたのですが、その後更にプロ野球やJリーグに纏わる話題が出ています。プロ野球ではセ・リーグの審判が待遇改善等を求めて全員が契約更新を保留したとか、Jリーグでは1部リーグのチームが経営不振で身売りされるとか。このうち審判のストライキなんて話は、ちょっと長くなりそうなので次の日誌に書きます。




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