素人仕事が招いた不幸( 2003.12.22 )
 内容的には前回の日誌の続きになるかも知れません。日本のゲームメーカーとか関連企業が行う販促を見ていると、なんか“やらなくてもいい事をやってる”か“やるべき事をやってない”かのいずれかというケースが少なくない気がします。

 例えばアクエリアンエイジはプロモカードの乱造が衰退の大きな要因になったと言われています。「これだけコレクターがいるんだから、プロモカードを作って大会やキャンペーンの景品にすれば喜んで飛び付くだろう。」そういう発想はある意味では、あるいは“ある限界点を越えるまでは”正解だった訳です。ところが例えば東京で開催されるイベントでのみ配布されるとか、要りもしない書籍やCD購入でしか入手できないプロモが乱発された事で、多くのコレクターがコレクションを放棄せざるを得ない事態に追い込まれました。もの凄く気に入ったカードがあるのに入手する術がほとんど無い。コレクターにとってこれ程の苦痛は無い訳ですが、そういう苦痛をアクエリは幾度となくユーザーに与えてしまったのです。つまりこれが“やらなくてもいい事をやってる”の典型です。

 これと全く対照的なのが Magic でしょうか。 Magic ほど販売に関して販売店のやる気やスキルに依存しているゲームも珍しいのですが、しかし Magic が販売店の販促に手を貸す事は過去にほとんど無かったはずです。DCI認定トーナメント1つ取っても、単にHJが自身に課せられたノルマを果たすためにやってるだけ。だから口先で煽るだけで開催店に優勝賞品の1つも出さない。その他価格設定とかイベントのやり方とか、事例を挙げ始めればきりがないですよね。これはまさに“やるべき事をやってない”ケースの典型です。しかも Magic ではこれに加えて“やらなくてもいい事をやってる”部分すらありますし。(まあ何の事かはあえて言及しませんが。)

 じゃあ、なぜそうなってしまったのか。明らかに販促が失敗しているにも関わらず、なぜ方針転換ができないのか。それは「販促の手法をごく一部の人間だけで決めてる」という事なんじゃないかと私は考えています。アクエリはなんかヲタクが集まってワイワイやってるだけだという気がしますし、 Magic はそれこそ競技指向が強い一部関係者の意見しか聞いていない感じですよね。ぶっちゃけて言っちゃうと“プロの仕事じゃない”のですよ。アクエリがちゃんとユーザーの声を聞いていれば、こうなる前にプロモカードの乱造をやめたはずです。また Magic ではHJ辺りに変な縄張り意識みたいな物が無ければ、とうの昔にパックの値下げは実現され、また少年ジャンプへのマンガ連載というブーム化の絶好のチャンスを棒に振るなんて事はなかったでしょう。あと特に Magic 辺りには、未だに売り手や買い手に“格好良く勝ちたい”という傾向が見られる気がします。マンガやアニメに頼らなくても Magic はゲームそのものの面白さや奥の深さで売れた。そういう事実を捏造してでも自慢したいがためにマンガ化やアニメ化を否定し、現状に批判的な私みたいな人間を叩いたりしていると思われます。でも実際問題として今や Magic は立派な“負け組”です。 (^^; それでもなお現実を見ずに従来のやり方を変えない。これじゃあ成功する物もできないでしょう。私に言わせればアクエリも Magic も“売り手がバカだったために殺されたゲーム”なのです。

 別に私が言う意見を聞いて何かしてくれと言っている訳ではありません。でも仮にも企業であるならば、自身で自社製品に関する売れ行きやユーザーの反響位は調べて、昔に比べてなぜ売れなくなったのかを見極めて対策を打つ位はできないのでしょうか。そういう対策をアクエリも Magic もやっている素振りが見られない。だからいよいよ誰も買わなくなっちゃうのですよ。あなた方も大人なんですから、もうそろそろ自分で何が間違っていたか位は気が付いて下さいよ。何よりそれに気が付いてくれないと、そこから先の話を始めようがないですから。




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