神河物語( 2004.4.9 )
 昨日発表された Magic の新エキスパンション“神河物語”について、私個人の第一印象的なお話を。こういうエキスパンションの発売に関しては、やはり色々と考えてみる必要があるかと思います。何しろ既に Magic には“ポータル三國志”という失敗事例がありますので(爆)。

 実はそのポータル三國志ですが、少なくともWoCやHJにとってはそれなりに利益を生み出した商材だったと思われます。当時私は福井にあったマナソースに勤めていたのですが、本部から「これ絶対いけるからたくさん仕入れてよ。」という働きかけが幾度となくありました。そして私自身も「日本語版はともかく (^^; 中国語版は売れるかも。」という期待からかなりの量を仕入れました。その結果は・・・まあ聞かないで下さい(ぉ。この時の日本国内での反響を見ると、少なくともこの手のエキスパンションは“日本国内のお店は頑張って仕入れてくれそうだ”という印象があります。そしてそれはラスト・サムライなどで古の日本に対する興味が高まっている欧米でも同様ではないかと思われます。

 ところが・・・です。じゃあ実際に仕入れたお店からお客さんの手にちゃんと渡る。すなわち売れる商材なのか。これはかなり未知数というか怪しいところです。基本的にそういう売れ方というのは Magic が“トレカ”としての機能を十分に持っていることが大前提となります。しかし実際には昨今の Magic は既にトレカではありません。これはもう断言してしまっても構わないでしょう。つまり「WoCは相変わらず Magic をトレカだと思い込んで神河物語を出す気なのかもしれないが、実際の Magic は既にトレカじゃないから期待したほどは売れない可能性が高い。」という事です。結局のところ競技で使えるのか否かのみが議論され、強ければ売れるしそうでなければ売れない。そういう待遇を受ける可能性はかなりあるのです。

 また神河物語が発売できるようになった経緯の問題もあります。少なくとも日本以外のアジア諸国では、相変わらず日本という国の風評はお世辞にも良いとは言えません。そんな中で日本テイストの神河物語を出せば、日本以外のアジア諸国のユーザーから少なからず反感が出るのは確実です。じゃあなぜ神河物語は発売される、あるいはできるのか。それは「結局のところ、今やアジアには日本以外に満足に Magic を買っている国がない。」という事の証明になっていたりはしないのでしょうか。そう考えると我々は神河物語の発売を、そんなに手放しで喜べないだろうと思います。

 では、なぜそれでも神河物語は発売されるのか。やはり結局のところ“欧米人ユーザー向け”であると考えるのが妥当だと思います。あと“遊戯王OCGやデュエル・マスターズとの差別化”という意図も多分に含まれているでしょう。その辺のお話は、例えば神河物語のサイドストーリー、その小冊子が同封されたファット・パックが日本で発売されるか。その辺を見極めてみれば分かってくると思います。相変わらずファット・パックが英語版オンリーでしかも欧米でしか売られない。そうなったら、やはり神河物語が日本人デュエリストへのサービスかどうかは、かなり疑ってかかっていいだろうと思います。

 それともう1つ。神河物語が日本の Magic 復興というか“現状の流通システムによる Magic の再起”を目論んでいるとは、私にはどうしても考えられない理由があります。ただですねえ・・・この内容は申し訳ないのですが今は書けません(笑)。実際に神河物語が発売される頃には、多分皆さんの耳にもこの辺の話は伝わっているだろうとは思います。やはり思うのですが、やっぱりWoCってこの辺あまりにも無計画すぎるんだよなあ。 (^^; 




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