原因の分からない病気は治せない( 2004.4.13 )
 ゲスト板で公開した「 Magic をやめた、あるいはやめようと思うに至った理由。」に関する私見+αを。

 まず皆さん気にされているのは「このアンケートには具体的に何人からの回答があったんだ?」だろうと思います。(アンケートは複数回答可で、選択した数だけ回答数が増える仕組みですので。)それで回答データを確認したところ、少なくとも33名の方から回答を頂いたと思われます。つまり逆に言うと、それだけ“一度引退しても Magic の事は気になっている方が少なくない”と見て取って構わないだろうとも思われます。まあかく言う私自身もその1人ですし。

 次に回答内容に関してですが、概ね今まで Magic に関して言われてきた事、あるいは私個人が言ってきた事を裏付ける結果になっていると思います。ただし個人的には、イラストの問題がこれだけ上位に入るというのはかなり意外でした。現在競技指向で Magic に取り組まれている方には見当も付かないかもしれませんが、やはりTCGたる物イラストの戦力は重要なのです。

 一旦話は全然変わってしまうのですが、皆さんは“QC関連技法”という言葉をご存知でしょうか。QCとは“ Quality Control (品質管理)”の略です。簡単に言うと「自社で製造している部品や製品に不良品が発生する原因を分析し、その原因を取り除いて改善する事で歩留まり率を高め生産性を上げるためのアプローチ法。」となります。(すいません、全然説明が簡単じゃないですね。 (^^; )このQCというアプローチでは、基本的に不良品が発生する要因のうち“最も不良品を生み出す原因比率が高い物から対策を取る”のが常識です。これは普通に考えれば当然でしょう。同じ手間をかけて業務を改善するのであれば、より効果が高いと思われる改善から優先して行う方が合理的だからです。

 私がこの手のアンケートを定期的に行うのは、実はこのQC的な発想が裏にあったりします。 Magic というゲームには間違いなく不良や不具合があって、それが今や人気や売上の面に深刻な影響を及ぼしています。それを何とか改善して人気や売上をアップしたい。これは Magic に携わる方々共通の思いだろうと思います。ところが現実問題としてWoCやHJには Magic に関する満足なマーケティング・リサーチをしている様子が無く、これではどこから何をどう改善すればいいのか見当もつかないと思うのです。だからそのためのヒントを見つけたい。これが私の意図です。ですから無計画にただ何となくやってる訳でもなければ、WoCやHJへの批判の材料が欲しくてやってる訳でもないのです。 (^^; 

 福井の商工会議所が“クレームの商品化”という事業を始め、企業や消費者から好評を得ています。既存の商品にある不満や苦情は、活用すれば売れる商品を開発するヒントになる。今や企業は“クレーム情報をお金で買う”時代に入ろうとしています。そこまでしないと本当に売れる商品は生み出せないのです。じゃあWoCやHJはそういう自社製品の不具合、あるいはそれを指摘したユーザーの意見にどういう対応を取ってきたのか。その結果がまさに今の Magic そのものなんじゃないですかね。この辺はある意味如実に反映されてると思いますよ。あまつさえ起死回生をかけて世に送り出したMTGOまでもがあの調子。さすがに冷笑しながらただ眺めるしかないなあ、という印象が私にはありますが。 (^^; 




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