それは本当に前進なのか?( 2004.7.11 )
 日本のプロ野球(JPB)のお話に絡めて色々と。

 恐らく人は誰でも、自分が考えて世に提案し、そして実行されようとしている計画を“前進”であると考えていると思います。しかしその個人や組織にとっては前進であっても、外の世界の人間とか事情を知らない人達には、とてもじゃないですがそうは見えない場合が多々あります。JPBでパ・リーグの球団数が1つあるいは2つ減り、場合によってはセ・リーグと合併して1リーグ制に移行する。これをどうやら球団オーナー達は“前進”と考えているようです。でも1プロ野球ファンとかプロ野球に興味が薄い立場から見ると、こんなのどこをどう見ても“後退”でしかありません。文字通りJPBは自らの人気低迷や衰退を認め、でも自分達の利権や立場は維持したいから安易な合併で維持を目論んでいる。結局パ・リーグは自力での再建を断念し、まだかろうじて維持されている(!?)巨人人気におぶさって経営を再建しようとしている。実際にはそんな発想しか無さそうです。ただその巨人人気にしても今や怪しいもので、実際に観客動員数とかTVの視聴率にそれらは如実に現れています。(ただしJPBが発表する観客動員数は、実際には主催者発表の“丼勘定”的な数字でしかないそうです。JリーグやMLBなどは今や1人の単位まで観客動員数を発表しているそうですが、JPBはそういう世の流れとは全く無縁な立場にいます。以上はあるTV番組からの受け売り情報ですが。 (^^; )

 今回の件の何が問題って、今までJPBという世界を支え続けてきたファンや選手達の意志や意向を、ほとんど全くと言っていい程球団オーナー達が無視し続けているという事です。こうなってしまった、いわば球団経営失敗の責任を全く取らず、その責任を半ばファンや選手に押し付けようとしているのです。今までだってJPBは、某球団の金に物を言わせた横暴、あるいはそのオーナーの不躾な言動によって多くのファンを失ってきました。あとJリーグやMLBに見られる「地域のファンを大事にして試合を見に来てもらう」という発想すら無く、これでは球団経営が立ち行かなくなるのは当たり前です。今回の問題はその傷を更に広げ、文字通りJPBという仕組みそのものに致命傷を与えかねないのです。

 ただ今回の件にしても、それでも事実を明らかにした途端に「俺が近鉄を買収して現状を維持したい。」と名乗り出る奇特な方が現れる訳です。なんでそういう有志をこの話に引き入れて、より多くのファンが喜ぶ形で事を治めようとしないのでしょうか。これについても、どうも某オーナーの「俺の眼鏡にかなわない奴はこの話には入れない。」という意向が働いているようです。でも過去においてもその暴君の意向で、JPBはどんどん有志やファンを失っています。あなた達が“前”だと信じて進んでいる方向は、我々ファンから見ると明らかに“後ろ”なのです。ですからあなた方が180度後ろを振り返ってくれるだけで、実を言うと物事は多くのファンにとって好ましい方向に進み始めたりするのです。それにそろそろ気が付いて欲しいです。あなた方が頑張っていて、物事がすべてうまく行っているなら別に構いません。でもうまく行っていないんですよね。だったら致命的な状況に陥る前に、後ろを振り返って別の方向を模索する、あるいは外の世界の人達にサポートを求める勇気を持ちませんか。ただしあなた方が過去にファンを無視して物事を決めてきた、そういう世間とかけ離れた発想とか中途半端なプライドといった物を捨て去らない限り、今度は志を持って集まってきたファンからも見放され、結果として今度はあなた方の居場所が無くなる事になるでしょうけど。

 でも世の中には、たかだか数十万人のユーザーと数十億円の市場規模しかないゲームの世界の中で、それこそ自分の立場を維持したりエゴを押し通すために、必死に謀議を重ねて物事を引っ張ろうとしている方々もいらっしゃるのですが。それで人気回復や売上アップがすべて達成されてうまく行ってくれるなら別に構わないのですが、実態は今や“内部崩壊の寸前で某企画の完全実現すら怪しい”なんて状況にあったりはしないのでしょうか。なぜこれだけ世間やマスコミから球団オーナー達が批判を浴びているのか。せめてこの事だけでも学ぶべきだと私は思いますが。 > 心当たり




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