“選択肢”のお話( 2004.9.12 )
 このテーマそのものは、以前にどこかの有名サイトでも書かれていたと記憶しています。

 普通我々が新しいゲームに手を出す場合ですと、基本的には“選択肢が少ない方が手を出しやすい”と思います。というか、昔我々が第4版+クロニクルで Magic を楽しんでいた頃ですと、あの500枚足らずという狭いカードプールの中ですら「俺は黒以外見ません。」とか「身も心も青に捧げます。」みたいな人すらいました。 (^^; ただこのやり方には「覚えるべきカードが少なくて済む。」とか「余ったカードを思い切りトレードの弾に使える。」といったメリットも多く、そういう発想の方が間違いなく Magic には取っつきやすいのです。

 じゃあ最近の Magic はどうなのか。確かに昔以上に選択肢は狭そうですよね。でもあまりに狭すぎて「このデッキタイプじゃないと満足に戦えません。」とか「このカード以外を使う奴は愚者認定。」的な状況すらできていそうです。要するに選択肢があまりにも狭すぎる、あるいは一部の人間が好む意図的な物になりすぎて、その中に自分が好きな物、あるいは好む物を見つけられなくなったプレイヤーが大勢現れたと思われます。こうなると、そんなゲームに普通人は手を出さない、あるいは何かのきっかけでやめちゃうだろうと思います。

 あともう1つあって、自分が選ぶ選択肢はいくら狭くてもいいのですが、でも買ったカードの用途が狭いのはやはりTCGとしては致命的なのです。自分が買って使わないカードにはちゃんと用途があり行き先がある。第4版+クロニクルの頃の Magic は間違いなくそういうゲームだったのですが、しかし今はそうではないでしょう。だからパックを買うリスクが高すぎて皆シングルカードでしか Magic を買わない。トレードも成立しない。これはもはやTCGとは呼べないでしょう。あと“対戦相手が持ってくるデッキに意外性が無くなった”というのも、TCGの楽しみとしてはかなりのマイナス要因でしょう。

  Magic というTCGは、どういう訳かメーカー/代理店/競技関係者が、それこそ寄ってたかって選択肢の超狭いゲームにしてしまったのです。俺のような趣向を持ったプレイヤー以外は Magic を遊んでくれなくていい。そういう人が実際 Magic には多そうですよね。だから結果としてその人のご期待通り Magic は多くの人達に遊ばれなくなったのです。つまり私に言わせると、この状況はまさに“メーカーや一部ユーザーの期待した通りの姿”だったりするんですよ。だから私は「そんな狭い了見しか持たない人間が Magic の方針を決めてしまっている現状を何とかしたらどうだ?」と言っている訳です。だって現実問題として Magic は売れていない のですから。




前の日誌へ次の日誌へ
屋根裏部屋 Index へ

 
このコンテンツに関するご意見/ご感想は、すべて e-mail でのみ受け付けています。