“その時”をどう過ごしたか?( 2004.9.21 )
 プロ野球選手会がついにストライキに踏みきりました。マスコミなどが行っている調査では、現時点ではストライキ決行に関して賛成派が圧倒的多数のように見えます。しかもその調査の中でストライキに反対している方々の意見を見ると、どうも今回の球団合併(=パ・リーグの球団が1つ減ること)そのものに賛成し、それを理由にストライキに反対しているケースというのはほとんど見られないように見えます。ストライキは色々なところに影響や被害が及ぶから反対だ。自分が楽しみにしていた試合が観られない、あるいは応援している球団のリーグ制覇に影響するから反対だ。じゃあ球団合併そのものに関してはどうかというと、どうもほとんどの方が反対という立場にいるように見受けられます。それはある意味当然でしょう。だって恐らくは巨人以外の球団ファンにとって、この問題は文字通り“明日は我が身”なのですから。

 では、それに対して球団オーナー側はどう言っているか。要約すると「この合併は既に決定事項である。」もっと平たく言うと「オーナー会議にて圧倒的多数で議決した事項である。」という論理なのです。例え日本国民の1億人以上が反対しても、オーナー会議に集まった12人の過半数が支持した意見は決定として絶対である。そういう見識なのです。こういう話って結構色々な業界で見られますよね。例えば・・・とか・・・とか(笑)。ある思想や趣向を持った有資格者、あるいはある権限を持った人間の息がかかったメンバーが集まって、表向き公平な議決によって圧倒的多数で決めた。だからこの意見は真理であり、これはこの世界では絶対の決定である。要するにそんな感じです。でもそんなファンを無視した密室談義を行う業界が成功するはずがないし、本来我々ファンは絶対にそれを成功させてはいけないのです。そういう意味でプロ野球にはまだ強い自浄作用が残っていた。我々はその事を素直に喜ぶべきでしょう。

 それと、なぜこの問題で選手会と球団オーナーに対してこれだけの支持の格差ができてしまったのか。それを考える1つの見方に“その時、すなわちストライキ決行日を彼らがどう迎え、そしてどう過ごしたのか?”という事があります。ストライキ決行日に選手会が行ったファンサービスは、片田舎に住んで地元のプロ野球球団を持っていない私のような人間から見ると、そりゃあもううらやましくてしょうがないですよ。また再開後の試合で日本ハムが行ったパフォーマンスと、その試合でサヨナラ弾を打ってしまう新庄選手の格好良さ。(そしてホームランをシングルヒットにしてしまう二枚目半的な演出。 (^^; )これこそプロ野球の醍醐味だろうと思います。じゃあそれに比べて球団側はどうだったのか・・・何かやったんですか?。 (^^; ストライキ決行をすべて選手会の我が儘のせいにして、その現状を嘆くだけで何らの改善策も行わない。まさに自分達が今まで何十年とやって来て、そしてプロ野球という世界を傾かせてしまった、その失策をそのまま繰り返しているだけです。これじゃあオーナー達が言う「ファンあってのプロ野球」という言葉には、恐らく1%の説得力も生まれないでしょう。そんな様子をファンはちゃんと見ているのです。

 そういう状況に更に拍車をかけたのが、一連の記者会見で見られたオーナー側の横柄な態度と、それと対極をなす古田選手会長の苦悩する姿でしょう。ひょっとすると古田会長には、この問題が決着した時点で、自ら責任を取って選手会長を辞任する意志があるかも知れません。しかし私個人は今や「あなた以外に選手会長が務まる人はいないんじゃないの?」という認識すら持っています。他球団のファンが球場やイベント会場で古田会長にエールを送る気持ちは良く分かりますし、私個人も今回の件でかなり古田会長のファンになりました。ただ古田会長だって“プロ野球選手として”実績を更に積み重ねたいと願っているに違いないわけで、これ以上の負担を背負わせるのはちょっと気の毒な気がしています。そういう意味で私個人は「この問題を早く決着させて欲しい」と強く願います。もちろんセ・パ12球団が存続して、プロ野球選手や関係者が1人たりとも路頭に迷う状況にならない事が理想ですが。

 いっそのこと、現役を引退したら古田選手をプロ野球のコミッショナーに就任させるってのはどうですか? > 関係者各位 (^^; 




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