TCGのA様B様( 2004.10.15 )
 某所の日記で問題提起されていた「カード資産の差で負ける事について」というお話を。

 私個人は「そもそも月単位、あるいは年単位でTCGに使える費用が違う人同士が、全く同じ土俵で勝負させられる事そのものがおかしい。これはTCGというゲームの、特にユーザーサポートに関する致命的不具合と言ってもいい。」という意見です。例えば某TCGでは少し前からジュニアだけのランキングを公開しています。ところがこれにしても結局は、大人と全く同じレギュレーションによる構築戦や限定戦でランキング付けさせられる、つまり“大人と同じだけの投資を強要されている”という見方もできます。例えば誰か1人でも親がカードを買っていて、子供なのに月に数万円単位で買ったカード資産が自由に使える。そんな人が現れたら周囲の子供達は誰もその人に勝てなくなるか、その人と同じだけの投資を要求されるのです。誰だってゲームでは勝ちたいわけで、それ故自分にゲームで勝てる可能性が無くなれば自然とゲームを去るのです。

 私が以前から某TCG辺りの競技イベントを“金儲けの道具でしかない”と断言している見方もここにあります。もし本当に某TCGの競技イベントがプレイヤーの育成とユーザーサポートに視点が向いているとしたら、やはり年相応の投資で気軽に遊べ、しかも誰にでもある程度の戦績が残せる可能性を“仕組みとして”与えるだろうと思うのです。でも某TCGにはそんな素振りは見られません。これはやはり不親切極まりないですし、これでは若年齢層のデュエリストは獲得できないでしょう。現に先日開催されたジュニア日本選手権でしたっけ。参加資格を持つプレイヤーがのべ160人ほどいたはずなのに、実際に会場に来たのは40名足らずでしたよね。これがすべてを物語っているでしょう。例の某企画にしても、大人と子供は一色単に扱われるようですし。そういう状況に何らの疑問も出ない。私に言わせるとこういう状況がそもそもおかしいのです。

 私個人は「少なくとも某TCGにおいて、使える予算が十分でない子供が満足な戦績を残せず、それを不満に感じて去るのは仕方がない。だってあれはメーカーが作った販促のシステムに致命的な欠陥を抱えていて、大人と同じだけ金を使わないと勝てない仕組みになっているのだから。」という見方です。初心者が買うであろう日本語版が英語版に比べて高い。この事1つ取ってもあのゲームが抱える矛盾というのはかなり顕著だろうと思います。そういう点で言うと、少なくともガンダムウォーが提唱したコモン限定戦というのは、実際の運用に少なからぬ問題を抱えているとはいえ (^^; そういうTCGが抱える矛盾を少しでも打開しようという動きとしては好意的に捉えていい気がします。問題は色々あるけど某かの動きを起こしているメーカーと、色々と理由をこじつけて何もしないメーカー。どっちが誉められるべき存在で、どっちが市場で生き残るべき存在なのか。そんなの私ごときが説明する必要は全くないでしょう。

 ↑ 追記

 この問題は「あるTCGタイトルが、資金をかけられないハンディを時間や手間をかけることで補えるバランスになっているか?」という部分にも大きく影響を受けます。私は少なくとも昔の某TCGはそういうゲームになっていたから遊びましたし、最近の某TCGはそうなっていないと感じてやめました。誰だって同じ結果を得るのに少しでもかける予算が少ない方が良いに決まっています。そういう工夫の余地があるのか無いのか、それが一般世間でのそのゲームの評価、あるいは売れ行きといった物に大きく影響している。いや、もっと正確に言うと“影響されなければいけない(=良いゲームは売れ、悪いゲームは売れないという状況を、市場が常に生み出さなければゲームは良くならない。)”のだと思います。




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