続・企業情報の穿った読み方( 2004.10.21 )
 つい最近発表されたデュエル・マスターズの新製品に関する案内に、一見すると「遊戯王OCGのアイディアを真似たのでは?」と思われる内容があるそうです。

 最近書いている意見ですが、ゲームというのは“発売前から買い手に期待感を持たせられないと売れない”物であると思います。それは多分販売店のスタッフに対しても同様でしょう。彼らは直接窓口となってお客さんにゲームを売るわけですし、場合によっては彼ら自身が買い手にもなるからです。じゃあ、そういう人達向けに出す案内の中に、一見すると他のゲームをパクったと誤解させる記述があった。それも巷で大人気真っ盛りの物で「ああ、これを真似るのは時流だし仕方ないか。」と思われるならともかく、その本家の方でも半分カビが生えかけたような古くさいアイディアだった。それで市場にそのゲームに対する期待感なんて物は生まれるのでしょうか。実際 Magic にしても、そういう発表による期待感の盛り上げには見事に失敗していて、それが如実に販売不振を招いているという見方もできます。

 ですから、これに対する私個人の見方は「もうちょっとまともな販促文の書き方はなかったの?」という感じです。この新機能が遊戯王OCGの真似でなく、デュエル・マスターズ独自のゲームを盛り上げるためのアイディアであるならば、そうと分かるように十分な情報を開示して説明をすべきでしょう。どうもそういう点において特にTCGメーカーって、やり方が下手というか不親切なんですよ。TVゲームみたいに情報がそれなりに世に広く出回っている業界じゃないんですし、あまつさえ販売店はその資料を見て仕入の数を決めないといけないのですから。

 それで「じゃあなんで今回デュエル・マスターズはそういうアイディアをあえて採用したのか。」という点について、私の頭にある2つのキーワードが浮かびました。1つは「現在デュエル・マスターズは欧米での展開を図っている。」で、もう1つは「現在その欧米では遊戯王OCGがバカ売れしている。」です。はい、後は皆様ご自身でご推察下さい(笑)。ひょっとするとタカラはともかく、デュエル・マスターズを設計している某メーカーは、もう既に日本市場よりも欧米市場に視点が向きつつあるのかも知れません。ただ世の中には“二兎を追う者一兎を得ず”という素晴らしい言葉があるのですが。 (^^; 




前の日誌へ次の日誌へ
屋根裏部屋 Index へ

 
このコンテンツに関するご意見/ご感想は、すべて e-mail でのみ受け付けています。