Magic に山積している数々の問題に関して、WoCとタカラのタッグが具体的な対策に乗り出している様子が伺えます。なんでも今度のプロツアー名古屋において、イベントと販売店への集客を連動する企画が実施されるようです。事前に販売店にて用紙にスタンプを押してもらい、それをPT名古屋の会場に持っていくと、抽選で豪華景品が当たる(空くじ無しの!?)抽選に参加できるそうです。 私も今までに何度か「 Magic は他のTCGに比べても、プレミアイベントと販売店の集客や販促との連動が無さ過ぎる。」という問題を指摘してきました。ムシキングは基本的に大会を販売店に相当するゲームセンターなどで分散開催していますし、遊戯王OCGは販売店で開催される予選会で勝ち上がらないと全国大会に参加すらできません。これに対して Magic は販売店の関与無しでいきなりプレミアイベントに参加できるわけで、並行輸入パックの問題も加わってユーザーとショップの間が疎遠になりがちになる。簡単に言うとそういう図式です。またプレミアイベントに対する距離感がユーザーによってまちまちになるため、せっかく多額の費用や人員をつぎ込んで開いたイベントが多くのユーザーに対してほとんど販促としての効果を持たない。実際去年まではそういう感じだったと思います。しかし今回発表された施策が今後例えばグランプリなどでも継続的に実施されれば、プレミアイベントへのユーザーの関心や参加意欲が高まり、また販売店にユーザーが出向く理由もできることになります。これをパック購入に結び付ける“更にもう一工夫”が必要だろうとは思うのですが、発足1ヶ月足らずのタッグチームの仕事ぶりとしては、かなり高い点数を付けていいんじゃないでしょうか。
それと先日ご紹介した“パック・バーコードによるキャンペーン”に関して、あるショップの方から「あれをやられると、店頭でゴミ箱を漁り始める人が現れるから大変なんだよ。」というご意見を頂きました。 (^^; 確かに過去の経緯を見てもその通りでしょうね。ただ従来のフィギュア企画に比べると、今回の企画はより多くの方々が参加される&参加できると見込まれるため、そもそもパックをゴミとして破棄するユーザーそのものが減るのではないかと思われます。また店頭における告知を十分に行い、なおかつ「要らないのならお店の人に渡して下さい。(集めて店で応募して、何か当たったらイベントの賞品にします。)」といった工夫もできるので、従来に比べるとかなり問題は改善されるのではないかと考えられます。何よりも構築済みデッキが対象商品になったことで、未経験者や初心者に Magic を買ってもらう際の選択肢が増えていると思われます。あとはその構築済みデッキの中身がもうちょっと・・・というのはありますが(笑)。
ちょっとエッセイの方にも書きましたが、この辺の“期待感の持たせ方”みたいな物は、さすがに子供向けの商売に慣れたタカラだな、という気がします。こういった施策はここ数週間ほどで決められた物ではなく、事前にそれなりのリサーチを行った上で立案されているのではないでしょうか。先日のエッセイでは「タカラは古参の声は聞かないのでは?」という見方を書いたのですが、もしそうであったとしても、これだけパッと見で古参が期待感を持てる企画が次々と出てくる。これに関しては素直にタカラという企業の技量や提案力を誉めておこうかと思います。