朱に交わってもう赤くなりましたか?( 2005.2.1 )
 ゲスト板で話題に出た“プロツアー名古屋での抽選会企画”について。

 そもそもの話として Magic には「プレミアイベントの招致が、地元の Magic 販売店にとって決して好まれる状況にはなかった。」という問題があります。そんなイベントに出るような競技プレイヤーは地元の店ではカードを買わない。 (^^; 常連も少なからず会場に出向くのでイベント当日の店の集客が減る。しかも会場には各地からバイヤーが来て安くパックやシングルカードを売り捌いていく。こうなると地元の販売店にとっては商売上のデメリットばかりが目立つ結果となりますし、それを埋め合わせる施策がウィザーズ社や旧代理店からは過去にほとんど示されませんでした。この事は私も過去に何度となく言ってきた話で、今回の抽選会の企画はこれに対する1つの改善策ではないかと考えています。

 ただ、これには幾つか大きな問題があります。その1つが「今回の抽選会が ITmedia Games という Magic の流通に関与しない第三者企業によるものである」ということです。 Magic の流通のお粗末さから日本では Magic が売ってもらえない商材になり、そのイベント運営すら販売店にとってデメリットが多い代物になっている。その穴埋めを何をとち狂ったか、ウィザーズ社やタカラは外部の企業にさせようとしているのです。もしこの企画を“プレミアイベントを開催する地元販売店への配慮”として行うのであれば、それこそ提供する賞品は全量をウィザーズ社やタカラが準備するべきでしょう。そんな Magic のお家事情なんて外の企業には何の関係もない話だからです。

 また今回の抽選会は、結果として“競技プレイヤーへの優遇措置”に近い内容になってしまっています。私に言わせると、なぜこの抽選会の参加資格となる台紙をわざわざグランプリ大阪で配ったのか、その狙いが全く持って分かりません。普通に考えれば「競技プレイヤーに優先的に賞品を持って帰ってもらおう」という意図であるとしか思えないでしょう。しかし再度言いますが、この賞品は ITmedia Games という第三者企業に準備してもらっての物です。この企業が自分達の存在を競技プレイヤーだけに認めてもらって満足するならそれでも良いでしょう。しかし実際はそうじゃないはずです。なんでこの世界の人達は、競技偏重という自分達の理論を外部の企業にまで押し付けようとしますかね?

 つまりこの辺が、私が最近言っている「 Magic 関係者と一般人とは感覚が著しくずれている」という最たる例になるかと思います。しかもそういう悪しき慣例に今回はタカラまでが手を貸してしまった。これが私にはなんとも残念で仕方ありません。まあ今回は「準備期間も少なかったから・・・」で大目に見てくれる販売店も多いでしょう。でも次はこうは行きません。それでなくとも日本の Magic 販売店は、過去のウィザーズ社や旧代理店のまずい売り方に愛想を尽かし、多くが Magic から離れていきました。そして、それでも残った販売店は現在、タカラという Magic に加わった新しい血に大きな期待をかけているはずです。ですから“期待が大きい分、裏切られた時の落胆もまた大きい。”ということを忘れないで欲しいと思います。




前の日誌へ次の日誌へ
屋根裏部屋 Index へ

 
このコンテンツに関するご意見/ご感想は、すべて e-mail でのみ受け付けています。