Magic の復興に向けて(!?)新たな販促企画が実施されるようです。内容に関してはショップさんの日記やニュースサイトなどで紹介されていますので、そちらをご覧頂ければよいかと思います。ただ確か以前に“山手線の全駅に Magic のポスターを貼る”という企画が実施されたことがあったはずです。それが今回は東京以外の府県にも及ぶとはいえ5つになった。これを私はある種、素直に“ Magic 販促の縮小”と見て取れる面があるだろうと思っています。代理店がタカラに変わって日本での Magic の勢いを示したい。でも動かせる予算や人員はこの程度。そういう受け止め方でも構わないだろうと思うのです。申し訳ないですが企画的に大きな目玉も見られませんし。 この件に関して Magic 関係者がどうすれば客観的に評価できるか。これについてはこういう見方をしてみればいいかと思います。それは「もしこの企画を Magic 以外のTCGが、全く同じ内容・規模で実施したとしたら、あなたはその企画を見に現地に出向いたり、ましてやそのTCGを買ってみようという気になるだろうか?」ということです。で、そういう見方をしてみると、やはり私個人は“この企画に Magic 拡販への効果は極めて薄い”と考えざるを得ません。どこをどう見ても Magic 購入、あるいは遊び始める事への動機付けが見られませんし、昨今のイラストが収録されているカードを配布したところで、それを見てコレクターから Magic を始めてくれそうな人なんかも現れないと思いますので。
じゃあこの企画はどういう目的で実施されるのか。これについて私個人は2つの見方をしています。1つは「これくらい基本的な話から始めないといけないくらい、現状の日本での Magic の知名度や売上は極めて低い状態にある。」ということ。もう1つは「既に Magic を遊んでいる人達や販売に携わる業界の人達に、 Magic の販売低迷による不安感を与えないようにしたい。」ということです。ただどちらの見方にしても言えるのですが、WoCは日本で Magic を売り出してから今まで9年近くもの間、一体どこで何をしていたのでしょうか?。本来なら日本での Magic は既に知名度的には遊戯王OCGやムシキングに並び称され、それこそ囲碁や将棋に匹敵するプレイヤー層の厚さや競技の成熟を勝ち取っていても良かったはずです。それが発売から9年も経ったこの期に及んで“知名度の獲得”から話を始めないといけない。ひょっとして日本の Magic って、9年という歴史を極めて無駄に&無意味に過ごしてきてませんか?
WoCやタカラはこの企画そのものにはあまり期待をかけていなくて、この企画をマスコミが取り上げてくれる事による二次的な知名度アップの効果を期待している。私個人はそういう見方をしています。繰り返しになりますが、こんな初歩的な知名度の獲得から話を始めないといけないくらい、日本での Magic は満足な売上どころか知名度すらないのです。でもどうせ配るなら、それこそ昔あった大勢のコレクターを熱中させた秀逸なイラストのカードの復刻版とか、そのままで取りあえずゲームが楽しめる構築済みデッキ辺りを考えた方がいい気もします。もしそれだけの予算やマンパワーが本気でないのであれば、それこそ現在競技に費やされているその辺のリソースの相当部分をつぎ込んだって構わないし、むしろつぎ込むべきでしょう。だって日本の Magic での競技イベントの開催数と売り上げは、ここ数年は間違いなく反比例の関係にある。つまり現状では“競技に費やされるリソースが無駄になっている”という可能性が否定できないのですから。