その1 私と写真

 

コーナーのトップと上の零戦の写真は私が初めて撮った飛行機の写真です。20年ほど前の秋、地元福井空港に零戦がやってきました。なぜかは知りません。2日間のイベントで計4回のフライトだったはずです。写真は1日目の午前の部で送迎デッキ屋上から撮りました。カメラは父親のフジのハーフサイズカメラ。当然ながらAFやAEなんてついてなくて、アバウトな露出に無限大の焦点で撮影しました。この日は祭日だったのですが、ギャラリーも少なく妙にほのぼのしてますよね。本当は、飛行している写真も何枚か撮ったはずなのですが、もうどこにあるかわかりません。これら、数枚の地上写真は大きく写っているので大切にとっておいたのですが、飛んでるやつは小さすぎて。当然ネガも行方不明です。

それまで二眼のカメラしか触ったことの無かった私が、初めて一眼レフカメラに触れたのが高校生の時でした。同級生に金持ちボンがいて、なんと修学旅行のために親にF-301を買ってもらって、旅行に持ってきたのでした。それも200mm望遠付き。当時発売されたばかりのキャノンオートボーイを持って行った私にとって、F-301はショックでした。ファインダー越しにピントが合うあの感覚と、200mm望遠から見える未知の感覚。その日を境に彼と友達になったのは言うまでもありません。旅行から1週間後、私は彼からカメラを借りることに成功し、卒業までの1年半私の手元にあったのでした。

何の基礎知識もマニュアルも無いところから、私の試行錯誤は始まりました。高校生の私にとって、フィルム代も現像代もプリント代もばかにならず、何でも撮りまくりプリントするという訳にはいきません。当時は今のようにディスカウントストアも0円プリントもありませんでした。露出とシャッター速度のバランスで適正露出が得られることはわかってましたが、背景がボケた写真が撮れたり、近くも遠くもピントが合った写真が撮れたり。被写深度なんて知らなかったし。それでも、写真を撮る楽しさは、この借り物カメラで知ることができました。

というわけで、私は今でもニコンのカメラを愛用しているのです。