(1998.7.13作成)
福井県公文書公開条例
昭和61年 3月24日
福井県条例第 2号
改正 平成7年7月14日条例第32号
福井県公文書公開条例
目 次
第1章 総則(第1条一第4条)
第2章 公文書の公開手続(第5条一第12条)
第3章 救済手続(第13条・第14条)
第4章 公文書の任意的な公開(第15条)
第5章 他の制度との調整等(第16条)
第6章 雑則(第17条一第24条)
第1章 総 則
(目 的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨に即した県政を推進する上において県の保有する情報の公開が重要であることにかんがみ、その一環としての公文書の公開に係る県民の権利の内容を明らかにするとともに、公文書の公開の手続その他必要な事項を定めることにより、県民の県政参加の一層の推進および県政のより公正な運営の確保を図ることを目的とする。
(定 義)
第2条 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成または取得をした文書、図画および写真(これらを撮影したマイクロフィルムを含む。)であつて、決裁または供覧の手続終了後、県において管理されているものをいう。
2 この条例において「公文書の公開」とは、実施機関が、この条例の定めるところにより、公文書を閲覧に供し、またはその写しを交付することをいう。
3 この条例において「実施機関」とは、知事、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、地方労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会および公営企業管理者をいう。
(実施機関の責務)
第3条 実施機関は、公文書の公開を請求する権利が十分保障されるように、この条例を解釈し、運用しなければならない。この場合において、個人の秘密、私生活等に関する情報については、その保護に最大限の配慮をしなければならない。
(利用者の責務)
第2章 公文書の公開手続
(公文書の公開を請求できるもの)
第5条 次に掲げるものは、実施機関に対し、公文書の公開を請求することができる。
(1)県内に住所を有する者
(2)県内に存する事務所または事業所に勤務する者
(3)県内に存する学校に在学する者
(4)県内に事務所または事業所を有する法人その他の団体(代表者または管理人の定めがあるものに限る。)
(請求の方法)
第6条 前条の規定により公文書の公開を請求しようとするもの(以下「請求者」という。)は、次に掲げる事項を記載した請求書を実施機関に提出しなければならない。
(1)氏名および住所(法人その他の団体にあつては、名称および事務所または事業所の所在地ならびに代表者または管理人の氏名)
(2)次に掲げる者の区分に応じ、それぞれ次に掲げる事項
イ 前条第2号に掲げる者 その者の勤務する事務所または事業所の名称および所在地
ロ 前条第3号に掲げる者 その者の在学する学校の名称および所在地
(3)請求しようとする公文書を特定するために必要な事項
(4)前3号に掲げるもののほか、公文書の公開の方法その他実施機関が必要と認める事項
2 前項の請求書の様式は、実施機関が定める。
(公開しない公文書)
第7条 実施機関は、次の各号のいずれかに該当する情報が記録されている公文書については、公文書の公開をしないものとする。
(1)個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であつて、特定の個人が識別され、または識別され得るもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
イ 法令および条例(以下「法令等」という。)の規定により何人も閲覧できるとされている情報
ロ 公表することを目的として実施機関が作成または取得をした情報
ハ 法令等の規定による許可、免許、届出等の際に実施機関が作成または取得をした情報であつて、公益上公開することが必要と認められるもの
(2)法人(国および地方公共団体(以下「国等」という。)を除く。)その他の団体(以下「法人等」という。)に関する情報または事業を営む個人の当該事業に関する情報であつて、公開することにより、当該法人等または当該個人に不利益を与えることが明らかであると認められるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
イ 人の生命、身体または健康を法人等または個人の事業活動によつて生ずる危害から保護するため、公開することが必要と認められる情報
ロ 人の財産または生活を法人等または個人の違法または著しく不当な事業活動によつて生ずる支障から保護するため、公開することが必要と認められる情報
ハ イまたはロに掲げる情報に準ずる情報であつて、公益上公開することが必要と認められるもの
(3)公開することにより、人の生命、身体、財産等の保護、犯罪の予防または捜査行政上の義務違反の取締りその他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれのある情報
(4)国等との協力もしくは国等からの依頼、協議等により実施機関が作成もしくは取得をした情報または公にしないことを条件に任意に提供されたと認められる情報であつて、公開することにより、国等または情報提供者との協力関係または信頼関係を著しく害するおそれのあるもの
(5)県の内部または県と国等との間における審議、調査、検討等の意思形成過程における情報であつて、公開することにより、当該または同種の審議、調査、検討等に著しい支障を及ぼすおそれのあるもの
(6)県または国等が行う検査、試験、入札、交渉、争訟、渉外、人事その他の事務に関する情報であつて、公開することにより、当該もしくは同種の事務の目的が達成できなくなり、またはこれらの事務の公正もしくは円滑な執行に著しい支障を及ぽすおそれのあるもの
(7)法令等の規定により公開することができないと認められる情報
(8)法令の規定により知事その他の執行機関の権限に属する国の事務に関して、主務大臣等から公開してはならない旨の明示の指示がある情報
(公文書の一部公開)
第8条 実施機関は、公開の請求に係る公文書が前条の規定により公開しないものに該当する場合であつても、同条各号に掲げる情報の記録されている部分が当該公文書の一部であり、当該部分を容易に、かつ、公文書の公開の請求の趣旨を損なわない程度に分離できるときは、当該部分を除いて、当該公文書の公開をしなければならない。
(公開の可否の決定)
第9条 実施機関は、
第6条第1項の請求書の提出があつたときは、速やかに、当該請求に係る公文書の公開の可否の決定をしなければならない。2 実施機関は、やむを得ない理由により、請求書の提出があつた日から起算して15日以内に前項の決定をすることができない場合に限り、当該決定を延期して行うことができる。この場合において、実施機関は、決定を延期する理由、決定をすることができる時期その他必要な事項を請求者に通知しなければならない。
3 実施機関は、第1項の決定をする場合において、当該決定に係る公文書に県以外のものに関する情報が記録されているときは、そのものに対し必要な説明を求めることができる。
(公開の可否の通知)
第10条 実施機関は、前条第1項の決定をしたときは、速やかに、その内容を書面により請求者に通知しなければならない。ただし、決定の内容が、請求に係る公文書の全部を公開する旨であつて、請求書の提出があつた日に公文書の公開をするときは、口頭により通知することができる。
2 実施機関は、前条第1項の決定の内容が、請求に係る公文書の全部または一部の公開をしない旨である場合において、当該公文書に記録されている情報が、第7条各号に掲げる情報に該当しなくなる期日をあらかじめ明示することができるときは、その期日を付記しなければならない。
〔平7条例第32・一部改正〕
(公開の実施)
第11条 公文書の公開は、前条第1項に規定する通知により実施機関が指定する日時および場所において行うものとする。
2 実施機関は、請求者の利便を考慮して、前項の日時を指定しなければならない。
3 実施機関は、公文書の公開をすることにより、当該公文書が汚損され、または破損されるおそれがあると認めるとき、その他相当の理由があるときは、当該公文書の写しを閲覧に供することができる。
(費用の負担)
第5条の規定により公文書の公開を請求してその写しの交付を受けるものは、写しの作成および送付に要する費用を負担しなければならない。第3章 救済手続
(不服申立てがあつた場合の手続)
第13条 実施機関は、
第9条第1項の決定について行政不服審査法(昭和37年法律第160号)
の規定に基づく不服申立てがあつた場合は、当該不服申立てが明らかに不適法であるときを除き、遅滞なく、福井県公文書公開審査会の審査を経て、当該不服申立てについての決定をしなければならない。
(福井県公文書公開審査会)
第14条 実施機関の諮問に応じ、
第9条第1項の決定についての不服申立ての理由の存否を審査させるため、福井県公文書公開審査会(以下「審査会」という。)を設置する。2 審査会は、委員5人以内をもつて組織する。
3 委員は、学識経験を有する者のうちから知事が任命する。
4 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
6 審査会は、第1項に規定する審査を行うため必要があると認めるときは、不服申立人、実施機関の職員その他の関係人に対して、出席を求めて意見もしくは説明を聴き、または書類の提出を求めることができる。
7 審査会は、第1項に規定する審査を行うほか、公文書の公開に関する制度の運営に関する事項について、実施機関に建議することができる。
8 前各項に定めるもののほか、
審査会の組織および運営に関し必要な事項は、知事が別に定める。第4章 公文書の任意的な公開
第15条 実施機関は、
第5条の規定により公文書の公開を請求することができるもの以外のものから公文書の公開の申出があつた場合においては、これに応ずるように努めるものとする。2
第12条の規定は、前項の規定による公文書の写しの交付について準用する。第5章 他の制度との調整等
第16条 法令等の規定により、公文書を閲覧し、もしくは縦覧し、または公文書の謄本、抄本その他の写しの交付を受けることができる場合においては、当該法令等の定めるところによる。
2 この条例の規定は、県立図書館その他の県の施設において、県民の利用に供することを目的として管理している公文書の閲覧およびその写しの交付については適用しない。
第6章 雑 則
(請求に関する相談、請求書受領等の場所)
第17条 知事は、県民の利便を考慮して、公文書の公開の請求に関する相談、
第6条第1項の請求書の受領等を行うための場所を設けなければならない。(公文書の目録)
第18条 実施機関は、公文書の公開の用に供するため、公文書の目録を作成しなければならない。
(実施状況の公表)
第19条 知事は、毎年度この条例による公文書の公開の実施状況を公表しなければならない。
(実施機関相互の間の調整)
第20条 知事は、公文書の公開に関する制度が円滑かつ適正に運営されるよう実施機関相互の間の調整を行うものとする。
(制度の充実および改善)
第21条 実施機関は、公文書の公開の実施状況等を踏まえて、公文書の公開に関する制度の一層の充実および改善に努めるものとする。
(公文書の管理体制の整備)
第22条 県は、公文書の適切な保管および迅速な検索を行うため、公文書の管理体制の整備に努めるものとする。
(情報提供の推進)
第23条 県は、県民の県政への参加を推進するとともに県政の公正な運営を確保するため、広報活動の充実等県民への迅速かつ的確な情報の提供の推進に努めるものとする。
(委 任)
第24条
この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が定める。1 この条例は、昭和61年10月1日から施行する。
2 この条例の規定(次項および
附則第4項の規定を除く。)は、昭和61年4月1日前に作成または取得をした公文書であつて保存期間が10年以上と定められているものおよび同日以後に作成または取得をした公文書について適用する。
3 実施機関は、前項に規定する公文書以外の公文書の公開の申出があつた場合においては、これに応ずるように努めるものとする。
第12条の規定は、前項の規定による公文書の写しの交付について準用する。附 則(平成7年条例第32号)
この条例は、平成7年10月1日から施行する。